塩酸アクラルビシン(アクラルビシン)Aclarubicin Hydrochloride 分類 抗がん性抗生物質  
        
   
抗がん剤の特徴
  アクラルビシンはアントラサイクリン系の抗生物質で,ドキソルビシンの欠点である心臓への副作用を軽減する目的で,1973年に日本で開発され,1981年に抗がん剤として承認されています。

 がん細胞のDNAに結合して,核酸合成とくにRNAの合成を強く阻害することで抗がん効果を発揮します。

 この抗がん剤は代謝が早く,体内にほとんど蓄積しないというメリットがあります。

抗がん剤治療の対象となるがん
 主に急性白血病の治療に用いられます。その他,胃がん,肺がん,乳がん,卵巣がん,悪性リンパ腫に使用されます。

 急性白血病の治療ではシタラビンとの併用で地固め療法に使用され,それにC-G S F(顆粒球コロニー刺激因子)を加えたCAG療法が,寛解導入療法として適用されます。

投与方法
 患者の体重に合わせた量を静脈内に点滴,またはワンショットで投与します。

抗がん剤の副作用
  アントラサイクリン系抗がん剤の特徴として心臓障害があり,他のアントラサイクリン系よりは軽いとされていますが,心電図に異常や動悸,胸苦しさなどによく注意する必要があります。

 重篤な骨髄抑制が生じ,それによる感染症や出血傾向,貧血などが見られることもあります。
 その他の副作用としては,吐き気・嘔吐,食欲不振,下痢などの消化器症状や,発熱,全身倦怠感等が比較的多く見られます。
 
 また,肝臓や腎臓の機能低下,血尿,膀胱炎,膵炎などが起こることもあります。
 

使用上の注意
 この抗がん剤を使用する前に胸部への放射線照射や他のアントラサイクリン系の抗がん剤の投与をおこなっていた場合,心臓障害が強く現れることがあります。

 まあ,点滴中に抗がん剤が血管外にもれると,皮膚に発赤や水庖,紅斑などが生じる場合があり,点滴中はできるだけ安静にしてください。

 心機能に異常があるか,また,はその既往歴のある人は使用できません。

 動物実験で催奇形性が報告されている為,妊婦または妊娠している可能性のある人は医
師と相談してください。授乳中の人は,授乳を控えてください。
 
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