ブスルファン(マブリン)(ブスルフェクス)   

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 アルキル化剤 − 抗がん剤の種類

抗がん剤の特徴
  アルキル化剤のスルホン酸エステル系の抗がん剤です。胃腸からよく吸収され,経口薬としても用いられます。

 経口薬としては,慢性骨髄性白血病に使用されますが,完治するのは困難といわれています。

 2006年10月に注射剤としても認可され,造血幹細胞移植の前に大量投与されるという治療が行われます。


抗がん剤治療の対象となるがん

 主に慢性骨髄性白血病の治療に用いられます。

 海外では,悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の治療にも使用されますが,日本では保険適用になりません。


投与方法
 造血幹細胞移植時には点滴で静脈に投与されます。経口薬としては,慢性骨髄性白血病では,成人では1日4〜6mgを投与されます。

抗がん剤の副作用
  重篤な副作用としては骨髄抑制による感染症や貧血,出血傾向の他,間質性肺炎・肺線維症,白内障が報告されています。

 とくに肺障害は回復が困難なので注意が必要です。また,長期間使用した場合,白血病や固形がんなどの二次発がんを引き起こす場合もあります。

 その他の副作用としては,吐き気,嘔吐,口内炎,脱毛,皮膚の色素沈着,黄疸,腎機能障害,発疹などがみられます。

 また,この抗がん剤は性腺に悪影響を及ぼすこあり,男性では陰萎,皐丸萎縮,無精子症,女性化乳房が,女性では無月経や卵巣線維症が起こることがあります。
 

使用上の注意
 せきや息切れ,発熱が続く場合には問質性肺炎などの疑いがあるので,すぐに医師に報告してください。

 また,骨髄抑制は,治療開始から2〜4週間で最も強くなり,回復に数週間から数か月かかる場合もあります。

 発熱や悪寒,排尿痛,血尿,おりものの増加,歯茎の出血,鼻血,手足の冷え,頭痛,動悸,息切れなどがみられた場合,医師に報告してください。

 この抗がん剤は動物実験で催奇形性が報告されており,男女共に,治療中および治療終了後少なくとも4か月間は避妊が必要です。授乳は中止してください。 

 
 
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