ドキシフルリジン(フルツロン)Doxifluridine代謝拮抗剤 − 抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
フルオロウラシルのプロドラッグです。この抗がん剤はより高い効果と副作用の軽減をめざして,日本ロシュ社が経口剤として,開発したものです。 この抗がん剤は体内に吸収されてから腫瘍内で,フルオロウラシルに変換されます。進行または再発した胃がんや大腸がんでは,パクリタキセルやシスプラチンなどと併用されることがあります。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
胃がん,大腸がん,乳がん,子宮頸がん,膀胱がんの治療に使用されます。また,転移性乳がんと大腸がんでは標準治療薬となっています。 |
投与方法 |
カプセル剤の内服薬です。通常は1日の投与量を数回に分けて投与します。 |
抗がん剤の副作用 |
フルオロウラシルのプロドラッグであり,副作用も基本的にはフルオロウラシルと同じです。 骨髄抑制や食欲不振,吐き気・おう吐などの消化器症状が見られます。 重篤な副作用としては,激しい下痢,腸炎,それにともなう脱水症状が見られ,注意が必要です。 重度の骨髄抑制,間質性肺炎,重度の肝障害,急性腎不全,急性膵炎,心不全,嗅覚の消失,なども報告されています。 また,中枢・末梢神経の障害による歩行障害や手足のしびれ,言葉のもつれなどが見られ,まれに白質脳症を発症する場合もあります。 その他 下血や舌炎,口角炎,動悸や不整脈などの循環器症状,さらには眠けや頭痛,味覚異常,紅斑,皮膚炎などがみられる場合もあります。 |
使用上の注意 |
指示された容量を守り,2回分を1度に飲まないよう注意してください。 代謝拮抗剤の抗がん剤TS−1と併用すると,重篤な骨髄抑制や消化器障害が起こる恐れがあるので併用できません。 TS−1の使用中止後も,抗がん剤の影響が残るため,少なくとも7日間は本剤を使用できません。 抗てんかん薬のフェニトインや抗血栓薬との併用はめまいや運動失調を引き起こすおそれがあります。 催奇形性が報告されているので,妊婦および妊娠の可能性のある人はこの抗がん剤の使用を避け,授乳は控えてください。 |
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