エトポシド  Etoposide      分類 植物アルカロイド  
        
   
抗がん剤の特徴
  北米原産の多年生植物アメリカミヤオソウの根茎から抽出した有毒結晶性成分であるポドフィロトキシンの誘導体を使用した抗がん剤です。

 1960年代にスイスのサンド社(現ノバルティスファーマ社)によって開発されました。

 抗がん剤イリノテカンと同じ酵素トポイソメラーゼの阻害剤です。

 この抗がん剤の作用機序はイリノテカンがトポイソメラーゼIに作用するのに対して,この抗がん剤はトポイソメラーゼUと複合体を形成し,DNAの結合を阻害することで,がん細胞の分裂を停止させます。

 小細胞肺がんの化学療法ではPE療法=(シスプラチン・エトポシド)で使用されます。

 また,精巣腫瘍では,BEP療法=(ブレオマイシン・エトポシド・シスプラチン)で用いられます。

抗がん剤治療の対象となるがん
 小細胞肺がん,悪性リンパ腫,急性白血病,精巣腫瘍,膀胱がん,絨毛(じゅうもう)がん,子宮頸がんに使用されるほか,小児の固形がんにも使用されます。

投与方法
 内服薬と注射剤があり,注射剤では点滴で30分〜60分かけて静脈に投与します。
対象となるがんの種類により,内服薬か注射剤かが選択されます。

抗がん剤の副作用
 骨髄抑制を起こしやすい抗がん剤です。また,間質性肺炎を引き起す場合もあります。

 脱毛や吐き気・嘔吐,口内炎を起こしやすい抗がん剤でもあります。

 その他,全身倦怠感,発熱,発疹,アナフィラキーショックなどの過敏症が起こることもありますが,これらの副作用は治療が終われば自然になくなります。

 まれですが,肝中心静脈閉塞症が起こり,肝臓機能が悪化し,腹水がたまることもあります。


使用上の注意
  骨髄抑制が出やすい抗がん剤なので,それによる感染症や貧血,出血傾向などに注意しましょう。

 また点滴中に,薬剤が皮膚にふれると,皮膚に炎症を起こしたり,潰瘍ができることもありますので,点滴中はできるだけからだを動かさないよう注意してください。

 骨髄抑制のある人や本剤の成分でショックなど,重い過敏症を起こしたことのある人は使用できません。

 動物実験で催奇形性や胎児への毒性が指摘されているので,妊娠中または妊娠の可能性がある人は使用できません。また,授乳は控えてください。
 
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