ゴセレリン Goserelin ホルモン剤−抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
ゴセレリンは1976年にイギリスの製薬会社によって開発された,LH−RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の働きを抑えるLH−RHアナログ剤です。 日本国内では1991年に前立腺がんに対し,承認され,1994年には閉経前乳がんに対し,追加承認されています。 この抗がん剤の投与により,男性ではテストステロン,女性ではエストロゲンの分泌が抑制されます。 そこで,これらのホルモンによって成長を促進される前立腺がんや乳がんの増殖を抑制することができます。 す。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
進行した前立腺がん,閉経前乳がんが対象となります。乳がんでは,単独投与のほか,タモキシフェンと併用されることもあります。また,子宮内膜症に使用される場合もあります。 |
投与方法 |
油性溶剤と混合された注射剤で,1回の注射で1か月のあいだ,有効成分がゆっくりと血液中に放出される徐放剤(じょほうざい)です。 前立腺がんのみに使用されるゾラデックスLAは,持続期間が3か月間と長くなっています。す。 |
抗がん剤の副作用 |
重篤な副作用が起こることはめったにありませんが,更年期障害に似た症状がでます。 顔面の紅潮が比較的多くみられる他,多汗,発疹,倦怠感,うつ状態,骨量の低下,月経異常,乳房の張りなどもみられます。 また,まれに間質性肺炎やアナフィラキシー症状,肝臓障害や黄疸などが起こることがあります。 男性の場合,骨の痛みが起こることがあり,前立腺がんでは,尿路閉塞などが起こることもあります。女性の乳がんでは,高カルシウム血症が起こることがあります。 また,一時的にがんが成長するフレア現象がみられることもあります。 |
使用上の注意 |
胎児に異常をきたす可能性があるので,この抗がん剤の使用中は避妊が必要です。 しかし,経口避妊薬は,本剤の作用に影響を及ぼすので使用できません。 乳がんでは,エストロゲンの低下により,骨中のカルシウム量が低下することがあります。 動物実験で,分娩障害や流産などが報告されている為,妊娠中または妊娠している可能 性のある女性は使用できません。授乳は控えてください。 |
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