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原発事故に象徴されるように,放射線と聞いただけで恐怖感を覚える人も少なくありません。
しかし,放射線治療機器から放射される放射線は,線量や照射範囲も安全なように計算され,管理されたものです。
確かに30年ほど前には,放射線を病巣に集中させる技術が発達しておらず,しかもエネルギーが弱かったため,皮膚のただれや潰瘍などの障害が多くみられました。
しかし,近年の治療機器の進歩により,がん病巣により集中させることが可能になり,このような副作用は大幅に軽減されています。
とは言え,やはり,副作用は気になりますが,放射線をかけると必ず副作用が生じるというわけではなく,照射部位や範囲,線量,放射線の感受性などによって症状が異なり,体質による個人差も大きいと言えます。
放射線治療は局所治療なので,抗がん剤治療と異なり,副作用が出るのは放射線をかけた部位に限られます。
放射線治療の副作用は大きく分けて2種類に分類されます。それは,放射線治療をしている時に起こる急性放射線障害と,放射線治療の終了後半年以降に起こる晩発性放射線障害です。
特に,患者の方は皮膚が赤くなったり,下痢をしたり,脱毛などが見られることにたいへん心配することが多いようです。
しかし,このような急性放射線障害は生命に関わるようなことはなく,どんなにつらくとも,一時的なものです。
これに対し,治療終了後に起こる晩発性放射線障害はまれですが,生命の危険があり,注意しなければなりません。
症状は肺に照射した場合,肺炎のような症状が見られたり,腹部に照射した場合,肛門からの出血が見られるなど,照射した部位によって症状も異なります。
ですから,治療後も定期的に通院してチェックを受けることが大切です。
放射線治療の副作用を誤解して,過度に不安に陥ることは精神面でもマイナスになり,適切な治療の妨げになることもあります。 不安なことは担当の医師によく相談しましょう。 |
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