イホスファミド( イホマイド)   特徴と副作用
抗がん剤の特徴
 アルキル化剤であるシクロホスファミドとよく似た分子構造をもっており,シクロホスファミドに耐性をもったがんにも効果を発揮することがあります。 しかし同等の効果を得るには約4倍の投与量が必要とされます。

 本剤は体内に入ってから活性化されることでがん細胞のDNAの複製を阻害し,その結果ガン細胞を死に至らせます。


抗がん剤治療の対象となるがん

 小細胞肺がん,前立腺がん,子宮頚がん,骨肉腫,軟部肉腫,小児悪性固形腫瘍


投与方法
 静脈内に点滴します。投与後はおもに肝臓で代謝・排出されます。本剤は特異的な副作用として出血性膀胱炎を起こすため,通常,予防薬メスナ(商品名ウロミテキサン)を併用します。

副作用
 出血性膀胱炎や急性腎不全など泌尿器系の障害を起こしやすい薬です。排尿痛や頻尿,下腹部に痛みを感じたりします。

 また,尿が出なくなったり,体液がたまり,むくんだりします。その他に吐き気・嘔吐,食欲不振,骨髄が見られます。

 まれに軽度の意識障害をともなう脳症やモ尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などがあります。膀胱炎予防薬メスナの投与によって脳症が現れることがあります。  

使用上の注意
 代謝措抗剤ペントスタチンとの併用は心毒性のおそれがあり,併用はできません。また,他の抗がん剤や放射線療法,アロプリノール(痛風治療剤)との併用で骨髄抑制が強まることがあります。

 血糖降下剤との併用は血糖値が下がりすぎることがあり,また,妊娠中の使用は催奇形性の可能性があるので使用できません。
抗がん剤・抗がん剤治療・抗がん剤副作用のページへもどる