A |
|
|
|
|
|
確かに,放射線療法では,効果の大きいがんとそうでないがん,すなわち放射線を受けることで縮小しやすいものとしにくいものがあります。これを放射線感受性と呼びます。
放射線治療はがん細胞が細胞分裂をおこなっている時に,照射されることで効果を発揮します。すなわち,細胞分裂のさかんながんほど効果も大きいということになります。
この細胞分裂の時に効果を発揮するという点では,抗がん剤も同じです。したがって,原則として抗がん剤が良く効くがんは放射線治療でも効果が大きいといえます。
がんの腫瘍は組織型分類において,高分化度のがんと低分化度に分けられます。低分化度のがんほど,細胞分裂が激しく,放射線の感受性が高いといわれています。
しかし,ここで気をつけなければならないことは,放射線の感受性が高い=治療効果が高いということではないということです。
細胞分裂が激しいということは増殖,転移も激しいということを意味し,放射線の感受性を上回る速度で増殖するがんは治療効果も小さいということになります。
また,放射線治療効果を左右する要素として,扁平上皮がんなのか腺がんなのかということも問題になります。
扁平上皮がんは主に皮膚や器官の粘膜の表面にできます。口や喉の内部,食道の内側,子宮頸部,肺などの扁平上皮細胞中に生じます。
腺がんは分泌を出す組織にできるがんで,胃や腸や肝臓,肺,子宮体部などに発生します。
一般に扁平上皮がんの方が腺がんよりも放射線の治療効果は大きいとされています。
ただし,どのタイプのがんであっても,放射線の治療効果には個人差が大きいことが
よく知られています。
その治療効果の個人差は何が原因であるのかは,現在のところよくわかっていません。 |
|
|
|
|