塩酸ニムスチン( ニドラン )

  Nimustine   

 アルキル化剤 − 抗がん剤の種類

抗がん剤の特徴
 脳腫瘍に有効なニトロソウレア系化合物(ニトロソ尿素)系のアルキル化剤です。この薬剤は分子量が小さく,血液脳関門を通過して脳に入ることができるというメリットがあります。

 がん細胞内の遺伝子DNAの合成を阻害し,細胞分裂を阻止します。 アメリカではニトロソウレア系のカルムスチンやロムスチンなどが脳腫瘍の治療に使用されていますが,いずれも日本では未承認ため,ニムスチンが使用されることもあります。

 この抗がん剤は日本独自で開発され,取り扱いがより容易とされ,1980年に発売されました。
 

抗がん剤治療の対象となるがん

 脳腫瘍,悪性リンパ腫,白血病,胃がん,大腸がん,肝臓がん,肺がんなど。


投与方法
 体重に合わせた量を注射用水で溶かし,動脈内に注射します。

抗がん剤の副作用
 投与回数が増えるほど骨髄抑制が顕著となり,白血球や赤血球,血小板などの数が減少します。吐き気・嘔吐,食欲不振など消化器系の障害も現れます。
 
 重篤な副作用として,間質性肺炎や肺線維症が生じることもあり,長期使用により,まれに急性白血病や骨髄異形性症候群などが発病することがあります。  

使用上の注意
  遅延性の骨髄抑制が強く生じるため,抗がん剤の治療開始から6週間は,血液検査を行い,免疫低下の確認をする必要があります。
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