パクリタキセル (タキソール) 抗がん剤の種類 植物アルカロイド |
抗がん剤の特徴 |
パクリタキセルは1950年代にアメリカの国立がん研究所が3万種の植物の成分を調査するなかで発見されたタキサン系の抗がん剤です。 この抗がん剤はセイヨウイチイの葉から合成され,ビンカロイド系と同様に,微小管の機能を阻害することで,がん細胞の分裂を抑制します。 1992年にアメリカで卵巣がんの治療薬として認可されたのをはじめとして,現在では,乳がん,肺がん,胃がんなど,様々ながんの治療に世界各国で広く用いられているベストセラーとも呼べる抗がん剤です。 卵巣がんでは,カルボプラチンとの併用が標準治療として確立しています。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
卵巣がん,非小細胞肺がん,乳がん,胃がんが対象で,2005年には子宮内膜がんへの使用も承認されています。また,保険適応外ですが,メラノーマにも使用されることもあります。 |
投与方法 |
注射剤で,成人には通常1日1回静脈に点滴し,3週間以上の投与休止期間をおく必要があります。 |
抗がん剤の副作用 |
この抗がん剤の特徴として,骨髄抑制を起こしやすいといわれ,死亡例も報告されています。 また、重い過敏症を起こすことがありますが,治療前にステロイド剤などを投与することで,多くは予防することができます。 頻度の高い副作用としては,植物アルカロイド系によく見られる手足のしびれなどの末梢神経障害があります。 その他の副作用としては,全身の脱毛,関節や筋肉の痛み,吐き気・嘔吐,下痢,発熱などがみられます。 また,発熱は投与後6〜10日で生じることが多く,特に最初の投与時に発熱しやすい傾向があります。 この他,まれですが,間質性肺炎や急性呼吸窮迫症候群,消化性潰瘍,腸閉塞,心不全,脳卒中,腎不全,聴力障害などを引き起こすことがあります。 |
使用上の注意 |
骨髄抑制による感染症に注意する必要があり,治療中に発熱・悪寒などが生じた場合には,必ず医師に報告してください。 この抗がん剤は投与後,重いアレルギー症状が現れれることがあるので,アレルギー体質の人は,事前に医師に伝えておきましょう。 しばしば下痢がみられるので,ふだんから下痢を起こしやすい人も事前に医師に伝えておきましょう。 重い骨髄抑制のある人や感染症を合併している人は使用できません。 また,この抗がん剤の溶媒であるポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤で過敏症を起こしたことのある人も使用できません。 シスプラチンと併用では,シスプラチンを先に投与すると骨髄抑制が強まる可能性がありま す。 ドキソルビシンの場合には,ドキソルビシンを先に投与しないと,骨髄抑制が増強してしまいます。 シスプラチンとの併用した場合,末梢神経障害が起こりやすくなり,また,ドキソルビシンとの併用では不整脈やうっ血性心不全などの副作用が起こりやすくなります。 動物実験で催奇形性が報告されているので,妊娠中の女性は使用できません。男性も避妊 が必要です。また,授乳は控えてください。 |
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