ラニムスチン(サイメリン)Ranimustineアルキル化剤 − 抗がん剤の種類 |
抗がん剤の特徴 |
この抗がん剤はニトロソウレア(ニトロソ尿素)系と呼ばれるアルキル化剤の1つです。日本で開発され,1987年に認可されました。 現在,多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血,悪性リンパ腫などの多剤併用療法に使用されています。 また,この抗がん剤は血液脳関門を通過しやすいため,脳腫瘍の治療にも使われます。 主な併用療法には、MC E C療法=ラニムスチン・カルボプラチン・エトポシド・エンドキサン,MEAM療法=ラニムスチン・エトポシド・シタラビン・メルファランなどがあります。 副作用としては,治療開始6〜8週後の骨髄抑制が起こりやすく,とくに血小板の減少が顕著です。 |
抗がん剤治療の対象となるがん |
多発性骨髄腫,慢性骨髄性白血病,悪性リンパ腫,などの他,最も悪性度が高いとされる脳腫瘍の膠芽腫の治療に使用されます。 |
投与方法 |
淡い黄色の結晶状注射剤で,点滴か静脈注射で投与します。投与中は点滴をカバーし,光線で薬剤が分解しないよう注意します。 |
抗がん剤の副作用 |
重篤な副作用としては,骨髄抑制をはじめとする出血傾向や貧血などのほか,間質性肺炎を引き起こすことがあります。 また,長期にわたって使用した場合,まれに白血病や骨髄異形成症候群などの二次腫瘍を引き起こすことがあります。 その他の副作用としては,AST(GOT)やALT(GPT)など肝機能検査値の上昇,吐き気・嘔吐・食欲不振,令身倦怠感,腎機能の低下,発疹,色素沈着,発熱・頭痛・めまい,手のしびれ等があります。 |
使用上の注意 |
骨髄抑制による重篤な副作用の予防のため,治療開始少なくとも6週間は,毎週,血液検査を行う必要があります 動物実験で催奇形性が報告されているので,妊娠中の使用は避けることが望ましく,授乳中の人は,授乳を中止してください。 |
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