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放射線治療ではがん細胞だけでなく,周辺の正常細胞にも影響を与えます。
そこで前回放射線治療をした部位と同じ部位に照射すると,放射線照射の蓄積により,正常細胞に深刻なダメージを与えることになるため,多くの場合,再度の照射は行われません。
同じ臓器の同じ場所に再度放射線治療を行う場合,晩発性の放射線障害の危険が高くなります。
治療後半年以上の経過後に見られる晩発性の放射線障害には,細胞組織の繊維化や出血,貧血などがありますが,有効な治療法がない場合も多く,時として命に関わる場合もあります。
しかし,前回,放射線を照射したとしても,前回と異なる部位,異なる臓器なら放射線治療は可能です。
臓器の機能が維持できるならば,必要に応じて何回でも治療を受けることができます。
前回と同じ部位でも前回の治療で照射した放射線の量が少なかったり,がんの種類によっては,もう一度治療を受けられる場合もあります。
最終的には,他の治療法の可能性があるかないか,再治療を行った場合のメリット,デメリットなどを総合的に判断して放射線治療の適応が決められます。 |
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