テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム TS−1

 分類 代謝拮抗剤

 Tegafur/Gimeracil/Oteracil Potassium
抗がん剤の特徴
  TS-1の名称で広く知られています。 フルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールに他の薬剤を配合し,より効果が高く,副作用の少ない抗がん剤として開発されました。

 テガフールは体内で徐々に5-FUに変化しするため,効果の持続時間が長いという特徴がありますが,それに加え,ギメラシルは5-FUが分解されるのを防ぎ,オテラシルカリウムは,5−FUによる下痢などの消化器症状を軽減します。

 進行または再発した胃がんに対する奏効率が50パーセント近くあり,副作用も少なく,外来治療が可能な点などから,進行・再発胃がんの第1選択薬の抗がん剤として,広く用いられています。


抗がん剤治療の対象となるがん
 胃がん,大腸がん,頭頸部部がん,非小細胞肺がん,膵臓がん,手術不能または再発した乳がん。 非小細胞肺がんの治療では,シスプラチンなどとの併用で用いられます。

投与方法
 カプセル剤の内服薬で,1日2回投与します。

抗がん剤の副作用
  この抗がん剤は他のフルオロウラシル系の薬に比べて,吐き気・おう吐,下痢などの消化器系の副作用が比較的軽い反面,骨髄抑制は強いという特徴があります。

 重篤な副作用としては,重度の口内炎,劇症肝炎,急性腎不全,間質性肺炎,嗅覚障害などがあります。

 その他の副作用としては,色素沈着や紅斑,皮膚炎などの皮膚症状,発疹,かゆみ,全身の倦怠感,しびれ,頭痛などの神経症状などがみられることがあります。


使用上の注意
 骨髄抑制が強く出やすいので発熱やせきなど感染症が疑われる症状がみられた場合には、すぐに医師に報告してください。

 この抗がん剤は空腹時に服用すると効果が低下するので,食後に服用してください。

 フッ化ピリミジン(フルオロウラシル)系の薬と併用すると,重いな骨髄抑制や消化器障害が起こる恐れがあるので併用できません。

 本抗がん剤の使用中止後も,少なくとも7日間はフッ化ピリミジン(フルオロウラシル)系の薬を使用できません。

 催奇形性が報告されているため,妊婦または妊娠の可能性がある人は使用でず,授乳は控えてください。
 
 
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