テガフール  Tegafur        

( アチロン,アフトフール(N),イカルス,サンフラール,ステロジン,テフシール・C,フトラフール,フロフトランE,ルナシン) 

 代謝拮抗剤 − 抗がん剤の種類

抗がん剤の特徴
 この抗がん剤は1966年旧ソ連時代にラトビア共和国の科学アカデミーで開発されました。

 フルオロウラシルのプロドラッグで,肝臓で代謝されてフルオロウラシルに変わり,DNAの合成を阻害したり,RNAに障害を引き起こしたりすることで,効果を発揮します。

 フルオロウラシルよりも血液中や組織内での濃度が長時間持続し,副作用も軽いことが特徴です。               

抗がん剤治療の対象となるがん
  頭頸部がん,胃がん,大腸がん,乳がん,膀胱がんが対象です。
胃がんでは,このテガフールよりもTS−1が主に使用されます。

投与方法
 経口内服薬,注射剤,座薬があり,がんの種類によって使い分けられます。

 経口内服薬は,1日の投与量を2〜4回に分けて投与します。 
 

抗がん剤の副作用
  フルオロウラシルと同様の副作用が見られます。激しい下痢や口内炎,吐き気・おう吐,出血性腸炎などの消化器系の副作用はよく見られます。

 腎臓や肝臓に障害を及ぼし,急性腎不全や劇症肝炎,脂肪肝などを引き起こすこともあります。

 また,膵臓や肺にも影響し,急性膵炎やや間質性肺炎なども見られます。

 その他,倦怠感をはじめ,色素沈着,脱毛,皮膚炎,発疹などの皮膚症状や頭痛,めまい・耳鳴りなどの精神神経症,動悸,胸痛,発熱などがみられることもあります。

 まれにですが,言葉のもつれや,歩行困難などをともなう,白質脳症や心筋梗塞がみられることもあります。


使用上の注意
 長期間の使用により,嗅覚や味覚の異常が長期間使用した場合起こりやすく,注意が必要です。

 TS−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)と併用すると,重篤な骨髄抑制や消化器障害が起こる恐れがあります。

 またTS−1の使用中止後も,抗がん剤の影響が残るため,少なくとも7日間は本剤を使用できません。

 催奇形性が報告されているため,妊婦または妊娠の可能性がある人は使用を控え,授乳は中止してください。
 
 
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