チオテパ(テスパミン) 

 Thiotepa       

 アルキル化剤 − 抗がん剤の種類

抗がん剤の特徴
  シクロフォスファミドと同系のナイトロジェン・マスタード系のアルキル化剤です。国内では1958年に承認されました。

 この抗がん剤は血幹細胞移植時の大量化学療法で使われていますが,現在は,一般の抗がん剤治療では,あまり使われていません。
 
 この抗がん剤はDNA損傷を与えたり,DNAの二重らせんに架橋して,がん細胞の分裂,増殖を阻害することで,がん細胞を破壊します。

抗がん剤治療の対象となるがん

 慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,悪性リンパ腫,乳がん,卵巣がん,膀胱がん,胃がん,肺がん,子宮がん。


投与方法
 白色粉末の注射剤で,静脈内,筋肉内,動脈内に投与します。がんの状態や種類によっては,胸腔内,腹腔内,または膀胱内に投与することもあります。

副作用
  重篤な副作用として,骨髄抑制がよく見られます。まれに腎不全を引き起こすことがあります。
 
 一般的な副作用としでは,吐き気・嘔吐,食欲不振などの消化器症状や,発熱,脱毛,肝障害,,頻尿・排尿困難、倦怠感などがあげられます。のどの痛みや血たん,頭痛,発疹などがみられることもあります。           

使用上の注意
  使用が長期になると,副作用も強くなり,長引くことがあります。骨髄抑制などの副作用対策として,血液検査などによるチェックが必要です。

 肝臓や腎臓に障害のある人も、副作用の危険が高くなるので注意が必要です。また、感染症にかかっている人は,骨髄抑制により感染症が悪化しやすくなります。

 他の抗がん剤や,放射線療法と併用すると骨髄抑制が強くなることがあります。

 催奇形性の疑いがあるので,妊娠中の使用は避けることが望ましいとされています。授乳
中の人は,授乳を中止してください。

 また,急性白血病などの二次がんを生じさせることもあります。

 
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