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放射線治療の後,食欲不振になることはよくあります。また,放射線治療に限らず,抗がん剤治療でも食欲は落ちますし,このような治療を行わなくとも,がん患者は食欲不振になるケースは多いといえます。
したがって,がん患者の食欲不振への対応は重要な問題といえます。
さて,放射線治療での食欲不振は放射線を照射した部位によって大きく影響されます。
特に食欲が落ちるのは,腹部に照射した時で,胃や十二指腸の粘膜が影響を受け,食欲不振や吐き気などの症状がでます。
さらに,小腸に照射された場合,消化能力が落ち,下痢などの症状もでることがあります。
また,食道やのどに照射されると,飲み込むときの違和感や痛みのため,食欲が落ちます。
治療を行っているときには,できるだけビタミンやミネラルを含んだ栄養のある食事をとったほうがよいのですが,吐き気や食欲不振があるときに,理想的な食事を無理に食べようとするとそれがかえってストレスになることもあります。
そこで,さっぱりしたゼリーやプリン,ヨーグルトなど無理なく食べられるものを食べることがよいと思います。他には患者さんの好みで判断してください。
そして,気分の良いときに食べられるものを食べるのがよいでしょう。また一度で無理であったなら,少しずつ何回かにわけて食べるということも必要です。
栄養補助食品を利用するのも一つの方法です。ただ,このような食品は一般の方は手に入りにくいことも多く,専門の業者を紹介してくれるよう受診医院の栄養士に相談してみるとよいでしょう。
全国病院用食材卸売業共同組合(TEL03−3219−7471)に問い合わせてみると近くの取り扱い店などを紹介してくれます。
また,胃や腸にチューブを通して流動食を用いる方法や中心静脈栄養で高カロリー輸液を直接心臓近くの静脈に流し込む方法もあります。
その他に漢方薬の処方により食欲が改善されているケースもありますので医師に積極的に相談してみましょう。
放射線治療による食欲不振は一時的な急性放射線障害の一つであり,治療後2〜3週間でもとにもどってきます。
さらにくわしくお知りになりたい方は当HPのがん患者の食事と栄養を参考にしてください。
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