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あ 行
悪液質 
 がんが進行することにより見られる全身倦怠感,栄養失調,食欲不振,体重減少などの症状を言う。がん細胞から生成される毒性物質が原因と考えられている。 


アポトーシス
 細胞の自殺またはプログラミングされた死とも呼ばれる,細胞自体が外部からの力を受けずに自ら引き起こす自然死の形態。胎児の指にあった水かきがやがて消滅する現象などもアポトーシスの一例である。 現在がん細胞をアポトーシス導く様々な物質や方法が研究されている。


異形度
 細胞の形状が,正常な細胞と比較してどれだけ異なっているかを示す指標。 クラス分類のT〜Xで示され,W以上になるとがんの可能性が高い。


萎縮性胃炎
 慢性胃炎の一種で,胃の粘膜が萎縮し,胃腺の活動が衰える症状を示す。老化やピロリ菌が影響していると考えられ,胃がんに進むこともある。


遺伝子治療
 がんなどを引き起こしている異常遺伝子の正常型を組織細胞内ではたらかせ,低下した細胞機能を回復させることによる治療。正常な遺伝子を乗せ,細胞内に入り込むベクター(運び屋)としてウィルスが利用されることが多い。現在免疫遺伝子治療など臨床試験が行われ,新しいがん治療の方法として期待されている。


イマチニブ(グリベック)
 慢性骨髄性白血病CML)や消化管間質腫瘍GIST)の分子標的治療薬。異常細胞を産生させるチロシンキナーゼという酵素を選択的に阻害するはたらきがある。現在,慢性骨髄性白血病患者に対して高い臨床的有用性が認められている。しかし,吐き気,血小板減少症をはじめとする副作用も一部の患者に認められている。


イレッサ(ゲフィチニブ)
 小細胞肺がんの治療に使われ,がんの増殖に関係するチロシンキナーゼという酵素を阻害する分子標的治療薬。 これまでの抗がん剤とことなり正常細胞への影響はなく,新しい肺がん治療薬として注目されたが,一部の患者に急性肺障害や間質性肺炎などの副作用も報告されている。 


インターフェロン(IFN)
 ウィルスなど病原体の進入に対し,体内のリンパ球などの細胞が分泌するたんぱく質であり,サイトカインの一種。ウィルスの増殖を抑えるはたらきを持っているため,C型肝炎の治療に利用される他,NK細胞を活性化し,細胞増殖抑制機能なども示すため,がん治療にも利用されている。


インフォームドコンセント
 「説明と同意」と訳される。医師は患者に対して病状や治療法などを詳しく説明し,患者はこれらを理解し,同意した上で治療が進められるべきとの考え方。
 特にがん治療では治療法が多岐にわたり,がん治療の苦痛や治療後のQOL(生活の質)の低下の問題があるので,この姿勢は必要不可欠である。


液性免疫
 体の免疫機構には「細胞性免疫」と「液性免疫」の2種類がある。 液性免疫ではB細胞が産生する免疫グロブリンと呼ばれる抗体により,ウィルスを抑えるはたらきがある。


エストロゲン(卵胞ホルモン)
 卵巣から分泌される女性ホルモンの一種で,月経を起こしたり,排卵前に子宮頸管の分泌液を増やし受精しやすくするなどのはたらきがある。特に乳がんや子宮体がんではがんの進行を助長するプロモーターとしてはたらくことが多く,治療の方法として抗エストロゲン剤などが投与される。


エタノール注入療法(PEIT)
 肝臓のがん治療法の一つ。 腹部または胸部から針を刺して,患部にエタノール(純粋アルコール)を注入し,がんを凝固させ死滅させる治療法。
 がんの直径が2〜3cm以下までなら有効である。この治療法は患者の体に与える副作用が少なく,短期間で退院できるという長所がある。


エビデンス
 薬剤や治療法の効果などを立証する科学的根拠のことをいう。 科学的根拠に基づいた医療(evidence-based medicine)では,治療法などの根拠を信頼度の最も高い順に大規模臨床試験から専門家の個人の意見にいたるまで五段階に分類されている。 カナダのマクマスター大学教授であるSackett DLらにより提唱された。 


MHC(Major histocompatibility complex)分子
 MHC分子は主要組織適合遺伝子複合体と訳される。ヒトでは HLA(human leukocyte antigen)とも呼ばれ,組織の細胞表面に存在する固体ごとの異なった抗原を言う。

 これにより細胞の自己・非自己の認識が行われ,免疫機能が正常にはたらくことができる。近年の研究により,NK細胞のあるものは細胞上のMHCクラスI分子を認識し,この認識ができなくなると標的細胞を破壊することが判明した。 

 またマクロファージや樹状細胞のMHC分子にがん細胞の一部はペプチドとして抗原提示され,T細胞が認識することで,がん細胞への攻撃が開始される。しかしT細胞はNK細胞とは逆に,がん細胞上のMHC分子が失われると目標を失い,がんへの攻撃ができなくなる。
 


円錐切除術
 がん病巣のある子宮の頸部組織を円錐状に切除する手術。メスの他に,レーザーや高周波電流を使って,組織を焼き切る方法もある。子宮を残せるので妊娠・出産は可能であるが,円錐切除術後は早産,流産をしやすくなるなどの問題点もある。


温熱療法
 がん治療法の一つ。熱に弱いとされるがん細胞を,加熱することで死滅させようとする治療法。 電磁波,赤外線,超音波などを用いた治療法が開発されている。 放射線療法や免疫療法の補助療法としても用いられている。ハイパーサーミアとも呼ばれる。

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か 行

ガイドライン
 特定病気の治療法や診断基準を科学的根拠に基づいてまとめたもので,各学会によって作成されることが多い。治療の格差をなくし,安全性や治療成績の向上をねらいとしている。


化学療法
 抗がん剤を投与して,がん治療を行う方法。手術前や手術後に補助療法として行われることも多い。がんの種類によって有効な薬剤や効果は異なる。抗がん剤は嘔吐,下痢,脱毛など多くの副作用を伴うことが多い。投与により免疫力の低下を招き,がんが薬剤耐性を持つようになるという問題点もある。 


獲得免疫
 細菌やウィルス,がん細胞などに対して,樹状細胞などから抗原提示を受けることで,自己と非自己の区別が行われ,これらを攻撃できるようになる免疫システムをいう。これら感染源は抗原として記憶され,同様の感染源が進入した時は抗原を認識している記憶細胞は速やかに集合する。


活性酸素
 スーパーオキサイドとも呼ばれ,近くの物質から強引に電子を奪って安定化しようとする不安定な酸素。生体内では日常的に発生し,この活性酸素により,細胞や遺伝子などが破壊され,老化やがんの原因にもなっていると考えられている。


がん遺伝子
 もともと正常細胞に存在するたんぱく質をつくらせる遺伝子であるが,なんらかの原因により変異すると,細胞を異常増殖させてしまう遺伝子。この遺伝子が変異する前の状態をプロト(原型)がん遺伝子と呼んでいる。ただし,細胞ががん化するにはがん抑制遺伝子の変異など,何種類もの遺伝子の変異が必要と考えられている。


間質性肺炎
 肺胞を取りまいている間質という組織に炎症が起きている症状。この症状が進行すると肺は堅く縮小し,呼吸不全につながることもある。ウィルスや細菌感染によるものは少なく,放射線,薬剤,塵埃(じんあい)などが原因となっている。抗がん剤のブレオマイシンやイレッサの投与後の副作用として起こることがある。


完全寛解(CR)Complete Response
 治療後に病変が見かけ上消失した状態を示す。がん治療効果の判定では腫瘍がすべて消失した状態が4週間以上続くことをもって完全寛解したと言う。 


肝動脈塞栓術
 肝臓がんの治療法の一つ。肝動脈に大腿動脈からカテーテルを入れ,そこから血管に塞栓物質をつめ,がん細胞への血流を絶つことで,がん細胞を死滅させる方法。塞栓物質としてゼラチンや抗がん剤が使われる。


ガンマナイフ
 脳腫瘍に対する放射線治療の一種。頭部を固定し,多数のガンマビームを腫瘍の一点に集中させることで,病巣部を壊死させることができる。メスを入れずに深部にある腫瘍にも照射でき,ガンマ線が一点に集中するため,付近の正常細胞にはほとんど影響がないというメリットがある。


がん抑制遺伝子
 正常細胞にある遺伝子で細胞の増殖を抑制するはたらきを持つ遺伝子。 この遺伝子が何らかの原因で変異,または欠損したりすると細胞の増殖を止められなくなりがん化すると考えられている。ただし,細胞ががん化するにはこれだけでなく,何種類もの遺伝子の変異が必要である。


QOL(Quality Of Life)
 「生活の質」と訳されている。がん治療において,腫瘍縮小効果,延命などの治療を最優先させることは,反面,治療の苦痛や治療後の身体的機能低下など,患者に精神的,肉体的苦痛を与えることにもなる。患者自身の立場にたって,治療中,治療後の身体的機能や快適感,満足感すなわちQOLへの配慮が十分にされなければならない。


キラーT細胞
 T細胞の1腫。ヘルパーT細胞からの指示を受け,がん細胞などの異常細胞をたんぱく質の1種であるパーフォリンを放出して破壊する。役目を終えたキラーT細胞はほとんど死滅するが,一部はメモリーキラーT細胞として残り,同じ敵に備えることができる。


血管新生
 胎児における新たに発生する循環器系の形成などを意味するが,がん細胞においても新たに血管は発生し,血管新生と呼んでいる。

 がん細胞はある程度の大きさになると最寄りの血管にシグナルを与え,がん細胞に向かって新しい血管を作らせることができ,これにより酸素や栄養分を吸収できるようになったがん細胞はその後急速に成長する。

 現在,がんの血管新生抑制剤として,サリドマイドやアンギオスタチンが効果があるということが発見され,臨床試験に入っている。


抗エストロゲン剤
 卵巣から分泌される女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌を抑える薬剤。乳がんや子宮体がんではエストロゲンががんを進行させる発がんプロモーターとして働く場合が多く,この薬剤が治療薬として投与される。


好塩基球
 白血球に含まれる顆粒球の一つ。この数値が高くなると慢性骨髄性白血病が疑われる。好塩基球では,細胞表面にIgE受容体があり,アレルゲンが付着するとヒスタミンを放出する。


抗がん剤
 がん治療の化学療法で使用される薬剤のこと。がん細胞が増殖する周期に特異的に作用するものと,細胞分裂の周期とは無関係に作用するものに大別されるが,多くの薬剤では嘔吐,食欲不振,脱毛などの副作用を持つ。その作用や作用物質の違いによりいくつかに分類されている。


高額療養費払い戻し制度
 どのような健康保険でも加入者であれば同じ病院や診療所で支払った1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合,本人の申請により,高額医療費が支給され自己負担が軽減される制度。 申請は1ヶ月ごとに行い,過去2年までさかのぼり請求できる。


好中球
 白血球に含まれる顆粒球の一つ。 白血球全体のなかで最も多い。細菌などが体内に侵入すると体内に取り込んで消化するため食細胞とも呼ばれる。


高度先進医療
 一般の保険診療で認められている医療水準を大きく超えた最新技術であると承認された医療。
 特定の大学病院や専門病院などが「特定承認保険医療機関」として厚生労働省より承認され,高度先進医療を行っている。
 
高度先進医療では,一般的な診療と共通する診察料や検査料,入院費などの部分は健康保険から給付されるが,高度先進医療部分に対しては,健康保険が適用されず,自己負担となる。


好酸球
 白血球に含まれる顆粒球の一つで,アレルギー反応に関与している。気管支ぜんそくや花粉症,じんま診などで増加するため,アレルギー疾患の検査に利用されている。


広汎子宮全摘
 患部を子宮と膣の一部を含め,骨盤壁近くから広い範囲で切除する手術法。 関連する所属リンパ節も同時に切除する。最近では開腹せずに内視鏡下で,子宮やリンパ節を切除することも多い。この手術では,後遺症としてリンパ浮腫が見られたり,膀胱や直腸の神経切断により,排尿や排便をコントロールできなくなることがある。


骨髄移植
 白血病,悪性リンパ腫などに対して行われる治療法。大量の抗がん剤投与や,放射線照射を行い,骨髄中の白血病細胞を完全に破壊した後,造血幹細胞をドナーから移植し,造血機能を回復させる。造血幹細胞移植療法とも呼ばれる。他人の骨髄幹細胞を利用する他に,患者自身の幹細胞を移植する「自己(自家)骨髄移植」がある。


5年生存率
 がん治療では治療開始後の年数によってその治療成績が評価されることが多い。がんでは5年経過するとその後は生存率があまり低下しないので,ほぼ治癒したと見なされ,5年生存率はがん治療の一つの指標となっている。 ただし乳がんは経過が長く,10年生存率が適用され,小児の腫瘍では2年生存率が適用される。


根治手術
 完全に治すことを期待して行う手術のこと。 これに対し苦痛を和らげることや身体の負担を考え,病巣の一部を摘出する手術を姑息(こそく)手術という。

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さ 行


催奇形性
 妊娠初期の妊婦が服用した薬剤になどによって胎児に奇形を生じる可能性のこと。特に妊娠初期では胎児の臓器や器官が形成期にあるため,薬剤などの影響を受けやすいので注意が必要である。


サイトカイン

 サイトカインとは細胞から分泌されるタンパク質で,細胞のレセプターに結合することで,特定の細胞に情報伝達をし,微量で細胞の増殖,分化,機能亢進をもたらす。免疫細胞を活性化させるはたらきを持つものもあり,代表的なものにインターフェロン,インターロイキンなどがある。
 その他に白血球を誘導するケモカイン,
細胞をアポトーシスに導く腫瘍壊死因子(TNF−α)などがある。



サイバーナイフ
  ロボットアームに小型放射線発生装置リニアックを搭載し,あらゆる方向からピンポイントでがん病巣に照射できる新世代放射線治療装置。 従来のガンマナイフと異なり,頭部を固定する必要がなく,正常細胞への影響も少ないというメリットを持つ。 適応範囲は頭頸部腫瘍,血管奇形,三叉神経痛などである。


細胞診
 病巣から細胞を直接採取して,顕微鏡で診断すること。 診断は細胞異型度によりclass分類(T〜D)される。 ステージ(病期)と混同されやすいので注意。
class T=正常   classU=異型細胞でも良性   classV=良性・悪性の判断が困難 
classW=悪性と強く疑われる   
classD=悪性と判断できる


細胞性免疫
 体の免疫機構には「細胞性免疫」と「液性免疫」の2種類がある。細胞性免疫ではリンパ球の中のT細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞が直接がん細胞やウィルス感染細胞を攻撃し,液性免疫ではリンパ球のB細胞の産生する抗体が細菌やウィルスを攻撃する。
 細胞性免疫と液性免疫は一方が強くなると一方が弱くなるという仕組みがあり,このバランスが崩れると,がんや膠原病,リューマチ,アレルギー性疾患が発生すると考えられている。


三大治療
 がん治療法のなかで従来から行われ,現在も主流となっている手術療法・放射線療法・抗がん剤治療のこと。 ただし近年,免疫細胞療法,遺伝子治療,温熱療法などこれらにかわるがん治療法の研究も進んでおり,代替療法と呼ばれている。


自然免疫
 細菌,ウィルスなどの病原体やがん細胞などに対して,これらが体内に進入,または発生した時に樹状細胞などからの抗原提示を受けずに,直接免疫細胞などがこれらを攻撃する免疫システムを言う。 また,これに対し,抗原提示を受けてはたらく免疫システムを獲得免疫と呼ぶ。


集学的治療
 一人の患者に対し複数の分野の治療を総合的に行うこと。特にがん治療では,外科療法,放射線療法,化学療法の他にも,免疫療法,温熱療法などが組み合わされ効果を上げる場合も多い。


重粒子線治療
 サイクロトロンやシンクロトロンなどの加速器を使って,陽子線や重粒子線をがんに集中して照射する治療法。
 この重粒子線治療の特徴は,粒子が運動を停止する時に最大のエネルギーを放出するという性質を利用し,照射を深部の病巣に集中できるというメリットがあり,切除しにくい頭頸部のがんや膵臓がんなどにも適している。


樹状細胞
 白血球の一種。樹枝状の細胞突起を持ち,食作用はほとんど無いが,体内に侵入した細菌やウイルス,がん細胞などの異常な細胞をいち早く認識し,抗原提示を行い,ヘルパーT細胞へ伝える役割を持つ。
 またこの細胞は免疫細胞療法の治療にも利用されている。


術中照射
 手術中に直接がん細胞や切除しきれなかったと判断される部位に照射する放射線治療の一つ。この場合使用される放射線は正常な細胞にダメージを与えないよう深部にまで到達しない電子線が利用される。 照射の機会は一度しかないため,通常の放射線量の数倍から10倍という量の放射線が照射される。


腫瘍壊死因子TNF
 腫瘍細胞上にあるレセプターと結合し,アポトーシスを誘導するサイトカインの1種。リンパ球やマクロファージなどが分泌する。がんをアポトーシスさせるだけでなく,マクロファージやリンパ球を活性化するはたらきもある。類似のはたらきをするリンホトキシン(TNF−β)と区別するため,TNF−αと呼んでいる。  


腫瘍マーカー
 がん細胞が産生するタンパク物質や酵素,ホルモンなど特異物質の総称。腫瘍マーカー検査によって発生した臓器やがん細胞のタイプが判別でき,がんの縮小や再発を知る指標にもなる。
 ただし,良性の疾患でもこれらは増加することがあり,これだけでがんの有無を診断することはできない。


小線源治療
 がんの放射線治療の一種。 放射線を出す物質(放射線源)をカプセル容器の中に封入し,体の組織に埋め込んだり,子宮などの体腔(たいくう)に挿入したりする。 がん細胞にピンポイントで直接照射できるので,正常細胞への影響が少なく,効率的である。
 現在は適応範囲も広がり,従来の舌がんや子宮頸がんだけでなく,食道がん,前立腺がん,肺がん,胆道がんなどのがん治療にも利用されている。


進行がん
 がんの進行度を示す言葉で,がんの原発巣が拡大し,周囲へ浸潤,転移を起こしている状態をいう。ただし,臓器やがんの種類により,進行がんの規準は異なる。
 根治を目指すには手術だけでなく,化学療法や放射線療法などを含めた集学的治療が必要である。


浸潤
 悪性腫瘍では,がん細胞が周囲にしみ出るように広がることが特徴であり,これを浸潤と呼ぶ。また上皮組織に発生したがんが,その下の基底膜を破壊し,さらに下の層や隣接臓器へ広がることも浸潤と呼び,その状態のがんを「浸潤がん」と言う。


スキルスがん
 細胞の分化度(成熟度)の低い腺がんの1種で,がん細胞の周囲の組織が多く,触れて硬いという特徴があり,硬性がんとも呼ばれている。

 このがんは急速に成長し,早期から血管やリンパ腺を通って転移しやすいという性質を持つ。このような性質から発見時にはすでに転移を起こし,手術が困難なことが多い。このがんは女性や若年層の発症率が高く,胃がんや乳がんに多く見られる。


ステージ(病期)
 がんの進行度を各段階に分け,あらわしたもの。ステージ0〜ステージWまでの5段階で表現される。「腫瘍の大きさ」「リンパ節転移の有無」「多臓器への転移の有無」「遠隔転移の有無」などの指標の組合せで表現される。がんの治療法を決定する際の判断基準ともなる。


ストーマ
 人工肛門のこと。現在直腸がんの手術では70%以上の割合で,自然肛門が温存されることが多くなってきているが,がんが肛門にまで達した場合,切除しストーマをつくる。ストーマは下降結腸,S状結腸を左下の下腹部に引き出してつくるが,排便を自分の意志でコントロールすることはできない。


ストリップバイオプシー
 病巣の粘膜の下に局注針で生理食塩水を注入して,粘膜を浮き上がらせた上で,リング状ワイヤーのスネアでつまみあげ,高周波電流で切除すると言う方法。生検として利用されるだけでなく,早期胃・食道がんの内視鏡的粘膜切除にも利用されている。一度に切除可能な範囲は2〜3cmまでとされる。
 

スマンクス
 熊本大学の前田 浩教授によって開発された高分子抗がん剤。 動注療法において,肝細胞がん治療薬として肝動脈から注入される。 腫瘍集積効果が高いという。


生検
 病気の診断や経過予後を診断する目的で,体内組織や臓器の一部を採取し,顕微鏡などで病理学的に検査する方法。 胃,食道,大腸などの消化器官に対して行う内視鏡下生検や肝臓に対して行う針生検の他,臓器や組織の一部を外科的に切除して採取する切除生検などがある。


セカンドオピニオン
 患者が病気の治療について,主治医以外の医師からアドバイスを受ける行為のこと。 一つの部位のがん治療においても,複数の方法があり,診断でさえも複数の解釈がありえるため,複数の医師の判断を仰ぐことで,リスクを減らし,患者自身が納得できるがん治療が選択できるというメリットがある。

 近年ではセカンドオピニオンの専門の窓口を設置している医療機関も増えている。ただし,セカンド・オピニオンを受けるためには主治医からカルテや検査結果などを提供してもらう必要がある。


腺がん
 体内の腺組織(分泌物を出す組織)に発症した悪性腫瘍(がん)のことを言う。腺がんの診断は,胃腸,子宮,卵巣,前立腺などの組織から,組織の一部を採取して行う。


センチネルリンパ節生検
 主に乳がんで行われているリンパ節の生検のこと。 原発巣から最初に転移がおこるリンパ節をセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)といい,このリンパ節にがん細胞がなければ,その先のリンパ節には転移していないと判断され,それ以上の切除は行われない。

 しかし,このセンチネルリンパ節にがん細胞が発見された場合には,その先のリンパ節にも転移の可能性があると判断され,リンパ節郭清が行われる。

 このセンチネルリンパ節生検によるリンパ節清の省略はまだ標準的ながん治療法ではなく,保険適用にもなっていないが,術後のQOLの低下を防ぐ有効な手だてとして,採用する病院が増えている。


組織診
 1〜数十個の細胞を検査する細胞診に対して,組織片を採取して検査する方法をいう。 採取した組織片は顕微鏡下で診断される。細胞診よりも診断の信頼度が高い。

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た 行


大腸内視鏡検査
 大腸ポリープや大腸がんなどを調べるため,肛門から内視鏡を大腸内に挿入し,直腸から盲腸までの内腔を観察する検査。その際ポリープをスネアと呼ばれるリング状ワイヤーで締め上げ,高周波電流で切除するポリペクトミーが行われることもある。


ターミナルケア
 がんの末期患者など,治療が不可能な患者に対して行われる医療行為のこと。肉体的苦痛の緩和措置だけでなく,心理的ケアも重要で,患者が残された時間を身体的にも精神的にも安らかに過ごせるよう配慮されなければばらない。


体腔鏡手術
 皮膚に孔をあけ,内視鏡を挿入してモニター画面から腹腔や胸腔などの病巣を除去する手術。開腹手術に比較し,体への負担が少なく,入院期間も短いため,近年急速に普及している。
 胃,大腸,胆嚢,肝臓などに対して行われる腹腔鏡手術,肺などに対して行われる胸腔鏡手術がある。


代替療法
 がん治療には三大治療法と呼ばれる外科手術,放射線治療,化学療法があるが,これら以外の治療方法を総称してがんの代替療法と呼ぶ。この代替療法は漢方,気功といった東洋医学的なものから,食事療法,サプリメント,免疫療法,心理療法など様々なものがある。


対症療法
 病気そのものを根本から治療する方法ではなく,起きている症状をやわらげる治療のこと,がん治療の場合,痛みをやわらげる対症療法として,放射線やモルヒネなどが用いられる。


多剤併用療法
 複数の作用の異なる抗がん剤を組み合わせて投与すること。副作用を軽減し,薬剤耐性を阻止し,最大の効果を上げるよう組み合わせ,投与する。がんの種類によっても組み合わせる薬剤は異なる。


タモキシフェン
 乳がんの治療として最も広く用いられているホルモン剤。 副作用は長期服用してもほとんどないという特徴を持つ。


タルセバ(エルロチニブ)

 がんの特異構造に作用する分子標的治療薬。異常細胞を産生させるチロシンキナーゼという酵素の活性を阻害する。特に肺がんや膵臓がんに対する有効性が報告されている。また転移している大腸がん患者に対しても抗腫瘍効果を発揮することが報告されている。



単球
 骨髄の造血幹細胞から分化する白血球の一種。単級は組織に移るとマクロファージや樹状細胞などに分化し,アメーバ運動を行って移動し,細菌などの異物を細胞内に取り込み,細胞内酵素を使って消化する。 また,断片化した異物を細胞表面に提示し,これをヘルパーT細胞に認識させ,免疫反応を促すはたらきがある。 


T細胞
 骨髄の造血幹細胞から分化する白血球の一種。 T細胞はキラーT細胞,ヘルパーT細胞,サプレッサーT細胞などに分化される。キラーT細胞はがん細胞やウィルスを破壊し,ヘルパーT細胞は抗原提示細胞の提示を受け,キラーT細胞やB細胞に攻撃の指令を与え,サプレッサーT細胞は免疫反応を必要に応じて終了に導くはたらきがある。


テーラーメイド医療
 遺伝子レベルで個人の体質や特徴を調査し,がん治療や予防に役立てようとする医療のこと。薬剤においては遺伝子の型により内容や投与量などが決定される。


凍結療法
 がん組織を急速に凍らせ,破壊する治療法。 正常細胞に影響を与えないよう瞬間的に凍結させる必要があり,冷却物質として液体窒素,笑気ガス,炭酸ガス,フロンガスなどが用いられる。最近は適応部位も増加し,前立腺がん,肝臓がん,肺がん,子宮頸がん,骨肉腫,脳腫瘍,脊髄腫瘍などに利用されている。


転移
 がん細胞の一部が原発巣を離れ,様々な臓器まで運ばれ,そこで増殖をはじめること。 血管を介するものを「血行性転移」リンパ管を介するものを「リンパ行性転移」と呼ぶ。またがん細胞が胃壁や肺の胸膜などを突き抜け,腹腔,胸腔,臓器などにばらまかれるように転移する「播種性転移」もある。


動注化学療法
 抗がん剤を腫瘍の栄養動脈に直接投与することにより,高濃度の薬剤を腫瘍に集中させるがん治療法。 効果が大きく,全身への副作用を軽減することができる。主に肝臓がんの治療で行われる。


トモセラピー(TomoTherapy)
 ヘリカルCTの原理を応用し,放射線照射装置をらせん状に回転させながら,コンピュータ制御により患部のみ的確に照射することを可能にした次世代放射線治療装置。 サイバーナイフのようなピンポイント照射だけでなく,広範囲の照射も可能なため,一度に複数の病巣や複雑な病巣にも対応できる。

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な 行


内視鏡手術
 内視鏡によって行われる手術。内視鏡を使ってテレビモニターを見ながら操作する。胃,食道,大腸の早期がんに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や粘膜下層剥離術(ESD)などがある。開腹を行わないので,術後のQOLの低下も見られない。


ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
 リンパ球の一種で,がん細胞,老化細胞,ウィルス感染細胞などにパーフォリン,グランザイムなどの攻撃物質を放出して破壊するキラー活性を示す。またサイトカイン(インターフェロン,インターロイキン)の産生も行う。
 NK細胞は,T細胞と異なり,がん細胞の目印となるMHC分子を発現していないがん細胞を直接攻撃・殺傷することができる。


ニトロソアミン
 Nトロソ化合物ともいう。 発がん物質であり,特にハムやベーコンに含まれる亜硝酸塩は,胃内部で魚などに含まれるアミン類と反応してニトロソアミンに変化すると言われている。


乳がん検診
 問診,視診,触診により乳がんを早期に発見することを目的として,市町村単位の集団検診で行われている。また,乳がんは触診による自己検診も可能で,月に1度,乳房の腫れが少ない生理の終了後2〜3日が検診しやすい時期である。


乳房温存術
 乳房の一部だけ切除し胸のふくらみや乳首を温存する手術。 病巣を中心に円筒形に切除するか,乳腺に沿って扇状に切除する方法がある。
 近年,この乳房を温存術は増加しているが,この施術が可能な場合は,腫瘍の大きさが3cm以下であり,複数でないなどの条件がある。


乳房再建術
 乳房再建術には手術の後に引き続いて行う一期的乳房再建術と,手術後時間をおいてから乳房再建を行う二期的乳房再建術とがある。
 乳房再建には患者や自身の組織を胸に移植する方法や液体やゲルの入った袋を胸の筋肉の下に入れる方法がある。 


粘膜下層剥離術(ESD)
 胃がんや食道がんなどで利用される手術方法。ナイフの先端にセラミックチップを装着したITナイフや針状メス,フックナイフなどの器具を用いて,生理食塩水を粘膜下に注入しながら,粘膜下層を剥離させるという方法で行われる。 
 この様な技術が確立されることで,これまで開腹手術が必用であった2cm以上の腫瘍も,内視鏡的治療で根治が可能になった。


粘膜切除術(EMR)
 早期の消化管がんに行われる手術方法。病巣の粘膜の下に生理食塩水を注入し,浮き上がらせ,スネアでつまみあげ,高周波電流で焼き切るという方法で行われる。 


ノバリス
 がん病巣の形状に合わせ,放射線の方向,形,密度を変化させることができる強度変調放射線治療器。 赤外線追跡装置やX線位置確認装置との連携により,病巣を0.1mm単位で正確に照射できる。 頭頸部がん,肺がん,肝臓がん,膵臓がん,脊髄腫瘍など適応範囲も広い。

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は 行


ハーセプチン
 乳がん治療のための分子標的治療薬。 がん細胞の表面に存在するHER2受容体に結びつく抗体で,転移性の乳がんの中でも,HER2強陽性と判定された患者のみに効果があらわれている。 化学療法との併用で奏効率や生存期間の延長が得られ,乳がんの新しい治療薬として期待されているが,一部心臓障害などの副作用も報告されている。  


発がんイニシエーション発がんプロモーション
 がんの発生二段階説において,がんの発生は二段階から成り立つとされ,その第一段階を発がんイニシエーション,第二段階を発がんプロモーションと呼んでいる。
 
 発がん物質は遺伝子に損傷を与え,遺伝子が修復されなかった場合,突然変異した細胞が残る。この作用が発がんイニシエーションであり,このように遺伝子に変異を与える物質を発がんイニシエーターと呼ぶ。

 次に化学物質などの作用により,この変異細胞は不死化し,増殖を続け,がん化する。この作用を発がんプロモーションと呼び,
プロモーションを引き起こす物質を発がんプロモーターと呼ぶ。


橋本病 
 自己抗体(抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体)が自己の体内の甲状腺を破壊し,それにより甲状腺ホルモンの分泌が低下して様々な症状を引き起こす自己免疫疾患の一つ。

 1912年(大正元年)に九州大学の橋本策(はかる)氏が発見したため,この名前がつけられた。慢性甲状腺炎ともいう。甲状腺機能低下症の代表的な疾患である。 
 

標準治療
 これまでの臨床試験から得られた結果に基づき,最善とされる治療。がん治療に関しては各学会より標準治療を示したものがガイドラインとして発表されている。ただしこの標準治療は絶対的なものではなく,技術の進歩により,新たなる治療方法が標準治療となることもある。


p53遺伝子
 がん抑制遺伝子の一つ。 この遺伝子はDNAに異常が生じたときに,細胞を自殺に導き,がんの発生を抑制するはたらきを持つ。多くのがんでこのp53遺伝子に変異が起こっており,がんの発生と深い関わりを持っている。
 現在正常型のp53遺伝子をがん細胞内へ誘導し,がんをアポトーシスさせようという遺伝子治療が行われ,成功している。


ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)
 らせん状の細菌で,胃の幽門部(ピロリ)に定着しやすいことからこの名前がある。この菌は経口感染によって,胃の粘膜に定着する。日本人の50歳以上では80%が感染しているとされる。この菌の酵素が産生する毒素は,胃炎,胃潰瘍,十二指腸潰瘍の原因ともなっており,これらが持続すると胃がんを発生させることにつながると考えられている。
 

フルオロウラシル(5−FU)
 抗がん剤でがん細胞の代謝を妨害する代謝拮抗剤と呼ばれているものの一種。適応するがんの種類が多く,多用されている。副作用として,造血抑制,嘔吐,口内炎,下痢などがあり,消化器の副作用が強いとされる。


部分寛解(PR)Partial Response
 1つまたは複数の腫瘍の大きさが50%以上縮小し,その状態が4週間以上続き,新しい病変も認められないことをいう。


分子標的治療薬
 がん細胞のみが持つレセプターや異常タンパクに集中してはたらく治療薬。従来からの抗がん剤とは異なり,正常細胞にはダメージを与えないがん治療薬として注目され,効果を上げているが,一部に重篤な副作用も認められている。現在承認されている治療薬はリツキサン(悪性リンパ腫),ハーセプチン(転移性乳がん),グリベック(イマチニブ)(慢性骨髄性白血病,消化管質性肉腫),イレッサ(ゲフィチニブ)(非小細胞肺がん)など。


PETPositron Emission Tomography)
 陽電子放射断層撮影法とよばれ,がんの診断に用いられる。 がん細胞は大量にブドウ糖を取り込む性質があり,ブドウ糖類似物質に微量の放射線を出す物質を組み込み,薬(FDG)として人体に注射する。そしてがん細胞に集積されたFDGの放射線を映像化し,がんの有無,場所,大きさを特定するという方法である。
 がんの早期発見に有効であるが,万能ではなく,FDGが集まりやすい脳や腎臓,膀胱のがん,薄く広がる胃や腸のがんなどは発見しにくいという欠点もある。また大きさも5o以上が必要である。 


ヘリカルCT
 らせん状にX線源が連続回転してスキャンしていく装置。今までのCTは,X線が身体の内部を輪切りのようにスキャンしていたので小さながんは発見できないことがあった。しかしこのCTは小さながんの発見も可能で,撮影時間も短縮されている。


ヘルパーT細胞
 免疫機能を持つリンパ球のなかのT細胞の一種。免疫細胞に指令を与える役割を果たす。マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞からの情報を受けて,サイトカインを放出する。そのサイトカインにより,キラーT細胞などが受け持つ細胞性免疫を促進させたり,B細胞に抗体を産生させるという液性免疫を促進させたりする。


扁平上皮がん
 皮膚の表皮を構成している扁平上皮細胞から発生するがん。皮膚,口腔,喉頭,食道,肺,子宮頸部,膣壁,膀胱などに発生する。がん組織は皮膚の扁平上皮細胞に類似している。


ホルモン療法
 がん細胞の一部は,発育にホルモンが必要なものもあり,このホルモンのはたらきを抑制してがん治療を行う方法。 この方法は内分泌療法とも呼ばれ,乳がん,子宮体がん,前立腺がん,甲状腺がんに対して行われている。 それぞれのホルモンを抑制する反対の作用を持つホルモン剤を投与したり,ホルモンを分泌する器官の切除なども行われている。これらの治療法と抗がん剤が併用されることも多い。


ホスピス
 末期がん患者を対象に,がんの苦痛や症状を和らげ精神的な支援も行おうとする活動,また医療施設をいう。患者のQOLを維持,向上させる医療行為だけでなく,本人・家族を含む心理的カウンセリングなども行っている。定額制で健康保険が適用される。
 患者の自宅に医師,看護師,社会福祉士などが訪問してホスピスケアを行う在宅ホスピスもあり,ホスピスケアは緩和ケアとも呼ばれている。

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マイクロ波焼灼療法
 主に肝臓がんの治療に行われる治療法。電極を腫瘍に差し込み,マイクロ波により高熱を発生させ,がん細胞を凝固させて死滅させる。マイクロ波では直径1cm程度の範囲の組織を凝固させることができ,開腹することもあるが,開腹せず腹腔鏡や胸腔鏡を用いる方法もある。他に焼灼温度が低いラジオ波焼灼療法もあり,この方法はより広い範囲を治療できる。


マクロファージ
 白血球の一種で貪食細胞とも呼ばれている。体内に侵入した細菌やウィルスなどの異物を取り込んで処理する。細胞表面に異物の抗原提示を行い,T細胞に伝える役割を果たす。


満月様顔貌(ムーン・フェイス)
 ステロイド薬を長期連用した場合や小細胞肺がんが副腎皮質刺激ホルモンを作り出した場合見られる丸い顔貌のこと。


マンモグラフィ
 乳房のX線検査で,専用の装置で乳房全体を圧迫し,上下,左右方向から撮影を行う。触診では分からない微細な病変も発見でき,早期発見の有効な方法である。


免疫遺伝子治療
 遺伝子治療の一つでがんの遺伝子治療の約60%をしめる。免疫に関する遺伝子を利用して,がんに対する免疫細胞を活性化させるというもので,多くが細胞障害性Tリンパ球(CTL)の反応の増強を目的としている。
 実際使用されている遺伝子としては,免疫細胞を活性化させるインターロイキン,GM-CSFなどのサイトカイン産生遺伝子や,がん細胞と免疫細胞を結びつける接着因子遺伝子,免疫細胞ががん攻撃の目印とするがん抗原遺伝子などがあり,これらの遺伝子が免疫細胞やがん細胞に送り込まれ,効力を発揮する。


免疫療法(免疫細胞療法・がん免疫療法)
 患者自身の免疫力を高めることでがん細胞を死滅させようとする治療方法。免疫細胞を活性化させるインターフェロン,インターロイキンなどのサイトカインを投与する方法やがん抗原に結びつくモノクローナル抗体を投与する方法,T細胞やNK細胞をサイトカインで培養し,投与する方法(養子免疫療法),免疫賦活剤などを投与する方法などがある。 


モノクローナル抗体
 抗体をつくるリンパ球とがん細胞を薬品を加えることで融合させ,その結果産生された,がん抗原に作用する単一の抗体のこと。これらが大量に投与され,がん細胞の増殖を抑えるはたらきをする。これらの抗体は分子標的治療薬として使われ,トラスツヅマブ(ハーセプチン),リツキシマブ(リツキサン),ダクリズマブ(ゼナパックス)などがある。

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薬物耐性
 細菌やがん細胞などが薬剤に対する抵抗力を持つこと。 がん細胞においては抗がん剤に対して元来持っている耐性と抗がん剤にさらされる中で獲得する耐性がある。 後者の耐性は投与を続けていくなかで抗がん剤に対して強いがん細胞が生き残り,それらが増殖するため獲得されると考えられる。したがって作用が異なる複数の抗がん剤を同時に投与することが,薬剤耐性を抑える有効な方法である。


養子免疫療法
 免疫細胞療法とも言われ,リンパ球などの免疫細胞を体内から抽出し,サイトカインなどを投与して,活性化,増殖させた後,患者の体内にもどし,がん細胞を攻撃させる治療法。 NK細胞などを活性化させる自然免疫を利用した非特異的免疫療法とT細胞,樹状細胞にがん抗原を認識させる獲得免疫を利用した特異的免疫療法に大別できる。
 現在,抗がん剤や放射線と併用されることも多い。


予後
 病気の経過や帰結を予測すること。予後には生命に関する予後や回復の時期,後遺症に関する予後などがある。

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LAK療法
 免疫療法の一つで,現在まで最も広く行われてきた方法である。この方法は患者の血液を採取し,サイトカインの1種であるインターロイキン2(IL−2)を加えて培養し,免疫細胞を活性化させ,患者の体内にもどし,がん細胞を攻撃させるというもの。 


ライナック(リニアック)
 直線加速器と言われる高エネルギー放射線治療器である。コバルトを使ったものと異なり,電気的に放射線を発生させることができる。コンピュータ制御により,放射線を精巧にコントロールし,放射線をがんの病巣に集中させ,病巣周辺の臓器への副作用を減らすことに成功している。


ラジオ波焼灼法
 肝臓がんの治療に行われる治療法。電極を腫瘍に差し込み,ラジオ波により高熱を発生させ,がん細胞を凝固させて死滅させる方法。マイクロ波より温度が低く,そのため広い面積の治療が可能であり,3cmの腫瘍が3個以内,5cm以下の腫瘍が1個の場合対象とされる。


リツキサン(リタキシマブ)
 分子標的薬剤の一つ。リンパ種の表面に発現しているCD20という抗原に集中して攻撃する抗体製剤。B細胞の90%以上にCD20抗原は発現しており,悪性リンパ腫には優れた効果を持つ。


粒子線治療
 陽子や炭素の原子核をサイクロトロン(円形加速器)やシンクロトロン(同期加速器)を使って,加速しがん細胞に照射する治療。陽子を使う場合を「陽子線治療」といい,炭素の原子核を使う場合を「重粒子線治療」と呼ぶ。
 この粒子線は体の深部でエネルギーが最大になるため,病巣前後の正常細胞はダメージを受けにくいというメリットがある。しかし大型の加速器が必要になるため,高価で施設も限られている。現在高度先進医療に指定されている。


臨床試験
 標準的治療の確立を目指して,新しい薬剤や治療法などを安全で有効かどうかを確かめる試験。この試験には一般の患者も参加できるが,患者が希望しても,臨床試験で求められるがんの種類や進行度などの条件が合わなければ受けることはできない。 

 試験を行う際には前もって「説明文書」や「同意文書」などをもって試験の内容や被験者の権利が十分に説明される必要がある。これに参加できた患者は新しい治療を受けられる反面,効果が得られなかったり,予想されない副作用などが現れるというリスクをも覚悟しなければならない。


リンパ球
 白血球の35%を占め,多くはリンパ節,胸腺,脾臓でつくられ,主としてリンパ管を経て血液中に入る。ウィルスや細菌,そしてがん細胞をも殺すことができる。リンパ球にはNK(ナチュラルキラー)細胞,B細胞,T細胞,NKT細胞などの種類がある。


リンパ節廓清
 がんの手術においてがんの病巣だけでなく,周囲のリンパ節をも切除すること。がんは浸潤によって周辺のリンパ節へ転移しやすく,再発を防ぐために行われている。 しかし広範囲の郭清は患者の状態を悪化させることもあり,慎重に行わなければならない。


リンホカイン
 リンパ球が抗原物質に反応し,放出する化学伝達物質。現在はサイトカインと呼ばれるようになり,この呼称はあまり使われていない。


レーザー治療
 レーザー治療には高出力レーザーを使用して腫瘍を焼く腫瘍焼灼法と低出力レーザーを用いて薬品の光化学反応でがん細胞を殺傷する光線力学的治療法が(PDI)がある。
 レーザー治療は正常細胞へのダメージが少ないがん治療法であり,特にPDIはレーザーのエネルギーが少ないため,腫瘍周辺の正常な細胞にはほとんど影響を与えないというメリットがある。
 レーザー治療は内視鏡レーザーの登場により,広い範囲で活用できるようになっている。