悪性リンパ腫

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   血液悪性三大疾患とよばれるものには「白血病」「悪性リンパ腫」「多発性骨髄腫」の3種類があります。骨髄中の造血幹細胞ががん化したものが白血病で,リンパ球ががん化したものが悪性リンパ腫,骨髄中の形質細胞ががん化したものが多発性骨髄腫です。

 血液悪性疾患は「どのような細胞」が「どの段階」でがん化したかによって,様々な病名があります。
 
 
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 悪性リンパ腫の治療
 
   リンパ球は体外から進入した病原菌やウィルスなどの異物に対し,攻撃,排除するという免疫機能を持つ細胞でB細胞,T細胞,NK細胞などの種類があります。

 これらリンパ球系細胞は,骨髄の中で「幹細胞」と呼ばれる細胞から分化,成熟したもので,「芽球」と呼ばれる細胞の状態で,リンパ節に移動し,この中で成熟してリンパ球となります。このリンパ節の中のリンパ球ががん化し,異常増殖する病期が悪性リンパ腫で,リンパ節のがんと言えます。

 悪性リンパ腫は,腫瘍を構成する細胞の組織型により,ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫にわけられますが,日本人では約90%が非ホジキンリンパ腫です。また腫瘍細胞の性格から「B細胞性」「T細胞性」「非T・非B細胞性」に分類されます。

 日本では悪性リンパ腫は年間約1万人程度発症し,近年罹患率は増加傾向にあります。また,ホジキンリンパ腫が20代~30代の年齢層に多く発症しているのに対し,非ホジキンリンパ腫では60代に多いという特徴があります。
 
 リンパ節は,頸部(くび),腋窩<えきか>(わきの下),鼠径部<そけいぶ>(ももの付け根)など,ふれると分かるところにも存在しますが,体の深部にも存在し,全身に張り巡らされています。 したがってこの悪性リンパ腫,特に非ホジキンリンパ腫は全身の至る場所から発生する可能性があります。
 
 

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    悪性リンパ腫の生存率
 
悪性リンパ腫の生存率はホジキンリンパ腫では,高い生存率を示しています。病期が1期では5年生存率は90%で,2期では80~90%,3a期では65~90%,3b期では50~80%,4期では40%~70%です。
 
 これに対し,非ホジキンリンパ腫はこれより低くなり,低悪性度非ホジキンリンパ腫の1~2期の限局期の5年生存率は70~90%,3~4期の進行期では50~70%です。また,低悪性度非ホジキンリンパ腫は早期では発見が難しく,多くが進行期で発見されます。

 中~高悪性度非ホジキンリンパ腫の1~2期の限局期の5年生存率は70~90%,3~4期の進行期では40~50%となっています。
 
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   悪性リンパ腫の原因

 悪性リンパ腫の原因は現在のところはっきりとは解明されていません。しかし,発症にはウィルスが関与しているという点が指摘されています。

 たとえばいくつかの悪性リンパ腫の発症にはEBウィルス(エプスタイン-バー・ウィルス)の関与が確認されています。

 またいくつかの悪性リンパ種では,特定の遺伝子の一部が入れ替わる「転座」という現象がみられ,それにより変異した遺伝子が,新たなたんぱく質を産生し,リンパ球をがん化させていると考えられています。

 このウィルスと遺伝子の転座の因果関係は解明されていませんが,ウィルス感染が遺伝子に傷を付け,遺伝子の構成に異常をもたらし,リンパ球をがん化させるということが仮説として考えられています。
 

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  悪性リンパ腫の検査

 悪性リンパ腫の診断は,病巣の一部を採取し,顕微鏡で特定する病理学的検査が必要になります。そのために皮膚の一部を切開したり,内視鏡で腫瘤の一部を採取するという生検がおこなわれます。

 さらに取り出したリンパ球がB細胞性,T細胞性,NK細胞性のいずれに相当するのか,モノクローナル抗体からできた試薬を使って組織標本を染色して判定します。

 この他にも血液検査,CT,MRI,超音波などの画像診断,リンパ管X腺撮影なども行い,病巣の広がりや病期を決定します。
 
 

  悪性リンパ腫の初期症状・症状
 
 悪性リンパ腫の症状は白血病の症状とよく似ています。初期症状はほとんど現れず,現れても単なる疲労と区別がつきにくいため,自覚症状をもって早期に発見することは困難ですが,頸部や腋窩,鼠径部などのリンパ節の腫脹に気付いて,受診により診断されることもあります。


 一般に痛みはないことが多いのですが,急速に増大しているときは,痛みをともなうこともあります。またその他の症状として,倦怠感や,発熱,寝汗,体重の減少,皮膚のかゆみなどがみられることもあります。  
 
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 ■ 悪性リンパ腫の病期

病期 進行度
Ⅰ期 病変が一つのリンパ節領域にとどまっている状態
Ⅱ期 病変が横隔膜を境として上下いずれかの側に2カ所以上認められる状態
Ⅲ期 病変が横隔膜の上下両方にまたがって,2カ所以上認められる状態
Ⅳ期 病変がリンパ節以外の臓器にも浸潤している状態

  悪性リンパ腫の治療

非ホジキンリンパ腫の治療
 非ホジキンリンパ腫では,細胞性の種類,悪性度や進行度により,治療が異なります。予後(治療後の経過)の危険性を示し,また治療法選択の判断基準ともなる「国際予後指標」が作成されています。この合計の点数が高いほど予後は期待できなくなります。

国際予後指標 ( IPI )
 
年齢 61 歳以上なら 1 点
血清LDH(乳酸脱水素)値                       LDH が正常値以上なら 1点
臨床病期 病期が III か IV なら1 点
 全身状態 
0=発症前と同じ状態
1=軽い労働ならば可能な状態
2=歩行は可能だが労働は不可能な状態 
3=1日の半分以上寝ている状態 
4=寝たきりの状態
2以上なら 1 点
リンパ節以外の転移の数 2つ以上なら1点
判定   0~1点=低危険度  2点=低~中危険度  3点=中~高危険度  4~5点=高危険度
   
 
    悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫は他の悪性腫瘍に比べて放射線療法や抗がん剤で治療しやすいがんです。

 細胞増殖の速度により「高悪性度」「中悪性度」「低悪性度」に分類され,さらに病期(ステージ)と照らし合わされ,治療法が選択されます。 

 

                                           

 悪性度

低悪性度

進行は遅いが,中高悪性度に比較して,抗がん剤が効きにくい。

中悪性度

月単位で病状が進行する。抗がん剤が効きやすい。

高悪性度

週単位で急速に進行するが,抗がん剤が効きやすい。


   低悪性度リンパ腫に対する治療

Ⅰ期~Ⅱ期
 症状が現れるまで経過を観察することもありますが,病変が存在する部位に対して放射線治療を行う治療が一般的です。放射線治療により 約半数の治癒が期待できます。

 また化学療法による治療も行われ,よく使用されるものとしてドキソルビシン(アンスラサイクリン系),ビンクリスチン(植物アルカロイド),シクロホスファミド(アルキル化剤)などがあります。Ⅱ期であればこれらの化学療法による寛解率は約80%と言われています。


Ⅲ~Ⅳ期
 抗がん剤を複数使用する併用療法により,病変の縮小効果が認められ,ほとんど消失した状態(寛解)になりますが,進行の速い中悪性度以上のリンパ腫に比べると,抗がん剤が効きにくいため最終的にはなかなか治りにくく,化学療法による明らかな生存期間の延長効果は確認されていません。

 また抗がん剤は副作用も強く,吐き気,嘔吐,脱毛,食欲低下などがみられます。そのため,症状のない場合は,診断がついてもすぐに治療を始めずに経過観察をすることもあります。

 2001年,低悪性度リンパ腫に対する分子標的治療薬リツキシマブが承認され,効果を上げています。これはがん化したB細胞表面に特有の抗原タンパク(CD20)を目印として,モノクローナル抗体が攻撃するというもので,他の抗がん剤と異なり,がん細胞のみを選択的に攻撃することができます。この治療薬は白血球数もほとんど減少しないというメリットもあり,化学療法と併用することも可能です。

 このリツキシマブは副作用は少ないと言われてはいるものの発熱,悪寒,そう痒,頭痛,ほてりなどの副作用もあり,また初回投与では呼吸困難や血圧低下などもみられることがあり,注意が必要です。
 


    中高悪性度リンパ腫に対する治療
 中高悪性度リンパ腫は,進行が早い反面,抗がん剤が効くという特徴もあり,病期がⅡ期以上場合,多剤併用化学療法が行われます。

 最もよく使用される抗がん剤として,シクロフォスアミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロンの併用が基本的な治療としてCHOP療法と呼ばれています。

 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では,これに分子標的治療薬リツキシマブとの併用が大きな効果を上げ,R-CHOP療法として標準的治療として確立されました。

 アメリカの血液学会での研究報告では,非ホジキンリンパ腫患者400人に対する臨床試験において,CHOP療法と,リツキシマブを加えたR-CHOP療法の治療を受けた患者を比較したところ,1年後の無病生存率はCHOP療法のみを受けた患者が49%であったのに対し,R-CHOP療法を受けた患者は83%に達したという結果が示され,その有効性が確認されています。
 
 また大きな腫瘤のないⅠ期~Ⅱ期の中悪性度リンパ腫では,CHOP療法を3コース行った後に,病巣部位に放射線を照射することが,基本的な治療法です。この治療により5年生存率は70%をこえています。

 リンパ腫では連用すると抗がん剤に対する抵抗性も出てくることもあり,また,再発するとがん治療は難しくなるので救援化学療法を行い,これで効果があった場合はそのあとで自家造血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行うのが標準とされています。

 この救援化学療法は造血幹細胞を集めやすいとの理由で,日本ではCHASE療法が行われます。これは、シクロホスファミド,ラステット,シタラビン,に制吐剤のデカドロンを組み合わせた方法で、3週間ごとに3~5コースを行います。

 この方法は多くの再発性リンパ腫に縮小させる効果が高いことが示されています。また造血幹細胞の採取効率も優れています。その後にさらに強力な化学療法を行い,骨髄の傷害を回復させるためにあらかじめ患者自身から採取しておいた造血幹細胞を使って自家造血幹細胞移植を行います。
 

 


  ホジキンリンパ腫の治療
 ホジキンリンパ腫は放射線に対する感受性が高く,病期Ⅰ期の段階では放射線治療のみでも約90%の5年生存率を示しています。

 したっがってⅠ~Ⅱ期で病巣が一カ所に限局している場合は放射線治療が中心となります。以前は標準的な治療として放射線療法で,リンパ腫の病変の存在する部分を中心に,広範囲に放射線照射を行っていました。

 しかし,広範囲の放射線治療では,二次発がんがみられたり,治療後数カ月経ってから放射線性肺臓炎や放射線性心嚢炎(しんのうえん)などの生命を脅かすような副作用がみられることがあり,問題となりました。

 したがって最近の治療では,化学療法と放射線療法を併用することが増え,放射線照射領域を縮小する傾向にあります。

 病期Ⅲ~Ⅳ期では化学療法が中心となります。アドリアマイシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジンの4剤併用(ABVD療法)が標準的です。

 これらの治療により,欧米の報告ではⅡ期で80~90%,Ⅲ期で50~90%,Ⅳ期で40~65%が治癒し,全体として新しく診断された患者の約75%は治癒が可能といわれています。日本にはこのようなまとまった治療成績のデータがまだありませんが日本の治療成績もほぼ同等と考えられています。
 
 

  JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)
 がん患者の治癒率の向上を目指して発足した,他施設共同研究グループです。

 治癒率向上のために有効ながん治療法を開発し,これを適正な臨床試験による評価を行うことにより様々ながんの患者に対する最善のがん治療(抗がん剤を中心にした化学療法,手術や放射線治療との併用療法の開発)と標準的治療法の確立を目的として研究活動を行っています。