皮膚がん・がん治療

がん治療最新情報のホームへ

皮膚がん・写真

漢方薬の処方 免疫細胞療法 
心のケア  新免疫細胞療法  
遺伝子検査    癌治療最新情報  
癌幹細胞と治療 抗がん剤治療  
がんワクチン療法 放射線治療  
がん検診   手術療法
食事と栄養  代替療法
疼痛と緩和  がん治療の病院 
転移と再発  がん治療Q&A  
がんの予防方法   用語集  
近藤理論(癌放置療法)   関連リンク 

末期でもあきらめない 世界が認めた抗ガン漢方薬!
サンプル無料!


食道     大腸
肝臓  胆道   膵臓 
乳房   子宮   卵巣  
前立腺   腎臓   膀胱  
悪性リンパ腫 白血病   多発性骨髄腫 
   咽頭  喉頭 
脳腫瘍  甲状腺  皮膚
骨肉腫     

 皮膚の構造と皮膚がんの種類

 皮膚は外側から,表皮,真皮,皮下組織で構成されています。表皮の厚さは0.2ミリ程度で,その90%以上を角化細胞(ケラチノサイト)が占めます。

 表皮は外側から角化層,手のひら,足の裏の皮膚にのみ見られる透明層,顆粒層,有棘細胞層,基底細胞層に分けることができます。

 基底層で新しく作られた基底細胞は,皮膚表面に向かって有棘細胞へと変化し,ケラチン繊維をつくりながら,硬くなり,死んだ細胞となってはがれ落ちます。このサイクルを皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)と言います。

 この表皮の基底細胞層にはメラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)が点在しています。

 皮膚がんと呼ばれるものは,この表皮から発生するがんのことで,有棘細胞がんや基底細胞がん,メラノサイトから発生する悪性黒色腫(メラノーマ)などがあります。

 この中で,最も発症率の高いがんが基底細胞がん(BCC)で,ほとんど顔面や頭部に生じますが,体の他の組織や臓器には転移しないといわれています。

 この中で最も悪性度の高いものが悪性黒色腫で,ごく初期から転移します。また,黒色のほくろをつくっている細胞がメラノーマを発症することもあります。


スポンサードリンク
 スポンサードリンク  
 
 
 末期がんでもあきらめない! 世界が認めた抗ガン漢方薬!
 サンプル無料!

   各種皮膚がんの症状と特徴・原因
 
有棘(ゆうきょく)細胞がん  皮膚がん写真-有棘細胞がん1  有棘細胞がん2

 
有棘細胞がんの発生の最も大きな要因は紫外線です。紫外線を長期間浴びるほど,リスクは高くなり,特に,顔や首,手の甲など日光の当たる部分によく見られます。

 日光角化症とは,紫外線を長期間浴びたことで発症する皮膚疾患です。特に60歳をすぎてから発症することが多いので,老人性角化腫とも呼ばれています。
  日光角化症 写真

 日光角化症は有棘胞がんの早期の病変と考えられ,一部は有棘細胞がんへと移行する場合もあります。

 また,やけどや外傷の瘢痕,なおりにくい皮膚の潰瘍,放射線による皮膚炎なども有棘細胞がんの原因となります。

 近年の研究により,ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の皮膚への感染が有棘細胞がんの発症の原因とも考えられるようになりました。

 この有棘細胞がんは男性に多く,加齢とともに増加し,70歳以上の患者が,約60%を占めています。


 有棘細胞がんの症状は,発生部位や発生原因によってさまざまですが,普通はかゆみや痛みはありません。

 ただし,細菌感染もおこしやすく,細菌に感染して炎症をおこしたりすると,軽い痛みや発赤,悪臭などがみられます。

 皮膚の症状として,紅色をした皮膚のふぞろいな形に盛り上がり,びらんや潰瘍を伴っています。さらに出血しやすく,つまむとしこりとして感じられます。
   
 
  基底細胞がん   皮膚がん写真-基底細胞がん1  基底細胞がん2  基底細胞がん3

 基底細胞がんは,紫外線が発がんの最大要因と考えられ,ほとんどが顔面や頭部に発生し,皮膚がんの中では最も発症率の高いがんです。

 高齢者ほど発症率が高いことが特徴で,局所で再発を繰り返すことが多く,鼻や唇の一部が欠損することもあります。

 この基底細胞がんは,進行すると皮膚だけでなく筋肉や骨などの組織へと浸潤していきますが,リンパ節や内臓への転移は非常にまれです。

 初期症状としては,黒色から黒褐色の盛り上がった皮疹で,痛みやかゆみもなく,ほくろと間違えることが多いので注意が必要です。

 これは進行すると徐々に大きくなり,中心部が陥没して潰瘍となり,その周辺部は堤防状に隆起し,黒い丘疹が縁取る腫瘤となります。

 中心部の潰瘍の部分はかさぶたができ,出血しやすい状態となります。これが結節・潰瘍型と呼ばれるがんで,基底細胞がんのほとんどがこのタイプです。

 
   
 
  悪性黒色腫(メラノーマ)
 メラノーマ4病型写真1 -(財)日本皮膚科学会HPより  皮膚がん写真 -AllAbout 健康・医療より  
  
 このがんは皮膚がんのなかで最も悪性度の高いがんで,初期からリンパ管や血管にのって全身どこにでも転移します。

 このがんは近年増加しており,発生数は年間1500人から2000人程度で,40歳代から増加します。


 悪性黒色腫(メラノーマ)は以下の4病型に分けられます。



悪性黒子(こくし)黒色腫

  顔面や頸部など紫外線にさらされる露出部に発生し,ゆっくりと成長します。 最初に褐色斑ができ,やがて黒色となります。

 やがて黒色斑ができ,次第に拡大し,さらに一部に硬結や腫瘤が出現してきて悪性黒色腫になります。

 高年齢の人がかかりやすく,発生頻度はメラノーマ全体のうちの8%で,4病型のなかでは最も少ない値です。

 がんの成長が遅いため,治癒率もメラノーマの4病型のなかでは最も高い数値です。



表在拡大型悪性黒色腫
 
 全身のどこにでも発生する可能性があり,はじめはわずかに隆起した黒色か褐色などの色素斑ですが,やがて隆起し,色調も黒が多くなります。

 最も発症しやすい年齢は50歳代ですが,子どもから高齢者まで,幅広い年齢層で発症します。
 
 成長が比較的遅いほうですが,悪性黒子黒色腫よりは治癒率は低いといわれています。




結節型悪性黒色腫
 
 全身どこにでも発生し,はじめから急速に成長する転移の速いがんで,病変部は,はじめから半球状,山なり,有茎(ゆうけい)状,扁平隆起状と盛り上がっています。

 色調ははじめ褐色から黒褐色ですが,やがて濃黒色となったり,濃淡が混じったりするようになります。

 最も発症しやすい年齢は50歳代で,腫瘍の成長が早く,転移も多い,最も悪性度が高い病型です。



末端黒子型黒色腫

 日本人に多いメラノーマで,4病型の40%以上をしめます。最も発症しやすいのは足底で,その他,手のひら,指の間,外陰部,爪の下などにも発生します。

 症状は悪性黒子黒色腫とほぼ同じで,斑状から始まり,結節,潰瘍へと進んでいきます。

 たこやうおの目とまちがわれがちですが,これらとは周囲に黒い斑がある点で異なります。

 いろいろな年齢層に発症しますが,一般に40〜50歳代に最も多く発症します。腫瘍の成長は結節型黒色腫よりゆるやかで,結節型黒色腫より治癒する確率は高く,表在拡大型黒色腫より低いと考えられています。

 
 
   

 
 
■ 悪性黒色腫(メラノーマ)の病期 

 UICC TNM分類
病期 進行状態 おもな治療法
0期 がんは表皮内にとどまっている。 がんとその周囲1〜2cmを切除する。がんの部位によっては同時に植皮を行う(2期以降でも同様)。
1期 ガンの厚さは1.5mm以下である。真皮乳頭層(真皮上部)または真皮網状層(真皮下部)の境界まで浸潤している。
2期 がんの厚さは1.5〜4mmである。真皮網状層まで浸潤している。 がんとその周囲2〜3cmを切除する。予防的に近くのリンパ節も切除することがある。手術後,補助的に化学療法や放射線治療などを行う。
3期 がんの厚さは4mm以上で皮下組織に浸潤している。原発巣から2cm以内に衛星巣がある。リンパ節へ転移していることがある。
がんとその周囲3cm近くのリンパ節を切除する。手術後,補助的に化学療法や放射線治療などを行う。
4期   リンパ節または遠隔転移している。  切除手術が困難なことが多いため,放射線治療や化学療法,免疫療法などを組み合わせた治療を行う。 
 
 
   
皮膚がんの検査
 
皮膚がんの場合,まず肉眼による観察と触診で診断しますが,皮膚がんを確実に診断するには皮膚生検を行います。これは皮膚の一部を切除し,顕微鏡で検査するというものです。

しかし,とくにメラノーマの場合,早期にはホクロやイボと見分けが難しい面があります。

 メラノーマは メラニン色素を作るメラノサイトががん化したものなので,黒や茶色の病変になりまが,皮膚にはホクロや脂漏性角化症など,似た色をした病変が多く,基底細胞がんでも似たような色になります。

 皮膚がんの専門家でもでも,正しく診断できる割合は8割くらいといわれています。しかし,メラノーマの場合,早期に診断がつかないと命に関わってきます。

 こうした場合,従来は生検が行われていました。しかし,メラノーマは極めて転移をしやすいことから,生検が転移のリスクを高めてしまうため,基本的には行われません。

 そこで,最近ではダーモスコピーという装置による色素性病変の鑑別が行なわれています。この方法は皮膚の患部にゼリーを塗ってガラス板で圧迫し,光を当てて拡大して見る方法です。 これにより,早期からメラノーマの診断ができるようになりました。

 また腫瘍の厚さの測定方法としてエコー検査も有効で,さらに,胸部レントゲン,腹部超音波検査,CT,MRIなどの検査によってがんの進行度や,他の臓器への転移の有無を確認し,それによって治療方針を決定します。
 
     
     


     皮膚がんの治療

外科手術
 有棘細胞がんや基底細胞がんは外科手術により,病巣を完全にとり除くことが最も有効です。
 したがって,がんが早期に発見されて外科手術を受けることにより,治癒率は100%に近くなります。

 メラノーーマの場合も,基本は手術ですが,原発病巣の周囲にもがんがみられることが多く,患部とその周囲を大きく切除することが必要です。

 また,がんが周囲に広がっている可能性があるときには,まわりのリンパ節も切除します。放射線治療はメラノーマにはほとんど効果がなく,補助的に利用されます。

 顔面など目立つ場所の切除を行う場合、手術後大きな傷跡が残らないように配慮しますが,傷が大きくなるときは,本人の背中や尻の皮膚を移植することもあります。

 手術の方法としては、メスによる切除のほかに,電気乾燥法,顕微鏡下手術,凍結手術,レーザー手術などもあります。

  レーザー治療は比較的新しい方法で,がんが皮膚の外側の層にとどまっているときにもっとも有効とされています。



放射線治療
 
 有棘細胞がんや基底細胞がんの1期および2期の病変に対しては根治を目指した放射線治療が行われます。

 2期で5cm以上の病変や3期では手術療法が選択され,完全に切除できなかった場合には放射線治療が追加されます。

 また,合併症などため手術が不可能な場合には,これらに対しても根治を目指した放射線治療が行われます。

 リンパ節への浸潤,神経周囲への浸潤,骨や軟骨への浸潤,広範な骨格筋への浸潤などが認められた場合には術後照射がおこなわれます。

 メラノーマに対しては1〜3期の原発巣には根治切除が行なわれるため,基本的に放射線治療が中心となることはありません。

 しかし,例外的に,手術では大きな欠損を生じる腫瘤径の大きなメラノーマに対しては放射線治療が行われることもあります。

 放射線治療のなかでも,メラノーマに対しては,近年開発された速中性子線や重粒子線治療で,効果を示すことがあります。
 
 また,放射線治療と併用して温熱療法を行うことがあり,これは転移を防ぐには効果があるとされています。



抗がん剤治療

 皮膚がんの治療はすでに述べたように手術による切除が最も有効であり,早期に発見された場合,切除による完治が期待できます。

 したがって抗がん剤治療は,術後の再発防止など補助的な治療法と考えられます。術後補助療法としてはDAVFeron療法があります。

 こ治療法はダカルバジン,ビンクリスチン,ニムスチンの3剤併用療法にインターフェロンβを手術部位に皮内注射する方法です。


 日本で開発された治療法で,通常は月に1回ぐらいの割合で,2〜3回から5〜6回繰り返します。

 しかし,この治療に使われたダカルバジンやビンクリスチンが原因と思われる2次がんの発生(白血病)が報告され,注意が必要です。

 この他,抗がん剤フルオロウラシルなどを軟膏の形で皮膚に直接塗布する方法もあります。

 


免疫細胞療法

  メラノーマには免疫療法が効きやすいといわれ,免疫療法と温熱療法を組み合わせることで効果を上げたという報告もあります。

 京都大大学院医学研究科の門脇則光准教授らのグループは,皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)が進行した患者に対し, がん細胞を攻撃するリンパ球の働きを活性化させる新たな免疫療法を開発したと発表しました。


 開発された治療法は,患者の血液を体外で培養して分化させた樹状細胞に,メラノーマの細胞を投与し,リンパ球を活性化し,さらに免疫を増強する抗がん剤を併用することでリンパ球の働きを強めるという治療法で,副作用が少なく,治療効果の長期持続が期待できるということです。


門脇准教授は「効果が確認できれば、患者の生存期間の延長につながる」として,臨床研究をすすめています。