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 卵巣がんの種類と罹患数
 卵巣は子宮に隣接した2cm程度の親指ほどの臓器で,左右に1つずつあります。卵巣内で成熟した卵子は月に1度放出されます。

 また,卵巣からは黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という,2種類の女性ホルモンが分泌されています。

 卵巣腫瘍には良性腫瘍,と悪性腫瘍(卵巣がん)と,その中間の境界悪性腫瘍があります。卵巣の腫瘍は20種類以上もあると言われ,卵巣にできる多くの腫瘍が良性のものですが,悪性腫瘍は1割程度を占めます。

 卵巣の腫瘍の中で,最も多いのは卵巣の表面の細胞に発生する上皮性腫瘍です。他には卵子のもとになる胚細胞から発生する胚細胞性腫瘍や胚細胞と上皮の間から発生する間質性細胞腫瘍もあります。

 日本では年間6000人から8000人が卵巣がんを発症し近年日本では増加傾向にあります。発症年代では40歳代が最も多く,閉経後に多いがんですが,あらゆる年代の女性にみられるという特徴があります。
 
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卵巣がんの症状
 
 卵巣は肝臓と同様に「沈黙の臓器」と言われ,早期では症状はほとんどなく,症状が現われるようになる頃には,ある程度の大きさに成長してしまっていることが多いようです。

 したがって,進行度Ⅰ期の初期に発見される患者は3人に1人に過ぎず,早期発見がしやすい子宮がんと比較すると予後が不良となるケースも多いがんと言えます。

 進行すると腹部にしこりやふくらみがみられ,痛みや圧迫感も感じられるようになります。背部痛や腰痛も現れます。 さらに腫瘍が大きくなると貧血症状も現れ,腹水がたまり膀胱や直腸を圧迫し,頻尿や便秘になります。
 

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卵巣がんの原因
 卵巣がんの原因は現在はっきりとは解明されていません。しかし,統計学的に卵巣がんになりやすい因子(リスクファクター
)として以下の様なものがあげられます。

  • 初潮が早かった人(12歳以下)
  • 閉経が遅かった人(55歳以上)
  • 30歳以降に出産した人
  • 妊娠・出産の経験が無い人
  • 家族に乳がんや卵巣がん,大腸がんになった人がいる人
  • クロミフェンのような排卵誘発剤による不妊治療を受けた事がある人。
  • 乳がんや子宮内膜がんにかかったことがある人。
  • 性器周辺に何年もの間,タルカムパウダー(アスベストが入っているパウダー)やタルカムパウダー入りのナプキンを使用した人。

 卵巣がんの発生する率は年々増加しています。これは欧米型の肉食を中心とした高脂肪・高カロリーの食生活が関わっていると考えられています。 また卵巣がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが関わっています。

 近年,日本人は発育も体格も良くなり,初潮が早くなり閉経は遅くなっています。 したがってエストロゲンにさらされる期間が長く,卵巣がんの発症も増加していると考えられています。

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卵巣がんの検査
 卵巣がんの検査方法として,超音波検査,MRI検査,PET検査腫瘍マーカー血液検査などの診断方法があります。

 卵巣がん
は他のがんに比べ画像診断の有効性が低いがんです。したがって確実に診断するためにも,腫瘍の細胞や組織を取り出して検査する必要がありますが,卵巣は身体の奥にあるため, 簡単に組織を採取する事ができません。
 
 そのため試験開腹により組織を採取して病理学的に検査を行います。 しかし最近では,腹腔鏡を挿入して組織を採取する方法が行われるようになり,患者への負担も軽くなっています。

 


卵巣がんのステージ(病期)
 
Ⅰ期 癌の病巣が片側,あるいは両側の卵巣にだけにとどまっている状態。
この時点ではまだ他の臓器への転移は起こっていない。
Ⅱ期 癌が周辺臓器(卵管,子宮,膀胱,腸など)に転移している状態。
癌はまだ骨盤内に留まっている状態。
Ⅲ期 癌は骨盤外へと転移しているが,まだ腹腔内に限局している。
または,リンパ節へ転移している状態。
Ⅳ期 癌が肺や,肝臓などの遠隔臓器まで転移している状態。



卵巣がんの治療
 卵巣がんは発見が遅れることが多いがんですが,手術による摘出が確実な方法です。卵巣がんは画像診断の有効性が低いので,悪性か良性か,またひろがりの程度を手術により診断していく場合が多いといえます。

 手術の方法としてはまず卵巣を摘出し,その組織を調べて,その結果その後の手術の方針をたてます。手術中にがんと診断された場合,通常は両側の卵巣と卵管,子宮,大網(腸をとりかこむ脂肪組織),虫垂を切除します。さらにⅡ期程度まで進行すると,上記の他に,骨盤内腹膜や直腸,小腸の一部も切除する場合もあります。

 Ⅲ,Ⅳ期では手術による完全な切除は難しいとされています。手術を行う場合は両側の卵巣,卵管,子宮,骨盤腹膜を切除します。直腸,大網,後腹膜リンパ節,脾臓,大腸,小腸もいっしょに切除し,手術前または手術後化学療法を行うこともあります。

 早期のがんでは,患者が後に出産を希望する場合は腫瘍のある方の,卵巣,卵管,大網のみ切除します。

化学療法
 卵巣がんは抗がん剤が有効で,手術の後に多くの場合化学療法を行います。卵巣がんに対しては,シスプラチンなどのプラチナ製剤がよく用いられてきましたが,現在は新しく開発されたタキソール(パクリタキセル)とパラプラチン(カルボプラチン)という抗がん剤を組み合わせて治療する方法が多く採用されるようになっています。

放射線療法
 卵巣がんでは以前では腹部全体に照射するなどの形で行われていましたが,より有効な抗がん剤が開発されたこともあり,現在ではあまり行われていません。しかし,転移したがんや再発したがんの治療には用いられることもあります。


新治療情報
 卵巣がんの後腹膜リンパ節の切除は患者の延命効果はないと米国立がん研究所が発表しています。ステージIIIかIVの 卵巣がんで, 腹腔から大動脈そして 骨盤の リンパ節を取り除いた場合と,卵巣,子宮しか取らなかった場合と比べ,1991年1月から2003年5月の間の427人の患者の比較臨床試験の結果,5年間生存率に差異は無かったと報告されました。

 後期卵巣癌患者の50~80パーセントは腹腔の後ろに位置するリンパ節が明確にがんにかかっています。 従来外科医が,これらのできるだけ多くのリンパ節を取り除くことによって患者の予後を改善することができると考えられていました。しかし,術後合併症やより長い手術時間,より大きい失血などによる輸血の余病等マイナス点も多いと報告されています。
 
卵巣がん治療のガイドライン
 

 日本婦人科腫瘍学会では,卵巣がん治療の標準化を目指し,「卵巣がんの治療ガイドライン」を平成16年に作成しました。そのおもな指針を抜粋して示します。
 
・手術では卵巣の全摘出と抗がん剤の併用を基本とする。
・10~20代に多い卵巣がんの一種である「胚細胞腫瘍」は片側の卵巣を温存することを推奨する。
・内視鏡手術は病巣の拡大を見落とすおそれがあるので実施すべきではない。 
・卵巣がんの9割を占める「上皮性卵巣腫瘍」は,両側の卵巣や子宮を摘出し,抗がん剤を使用することを基本とする。
・抗がん剤はカルボプラチンとパクリタキセルの併用を強く推薦する。